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著者インタビュー 永野三智 『みな、やっとの思いで坂をのぼる』

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話をしたいという気持ちを患者たちはずっと抱えてきた

◆『みな、やっとの思いで坂をのぼる 水俣病患者相談のいま』永野三智・著(ころから/税別1800円)

 本書は、熊本県水俣市にある一般財団法人水俣病センター相思社で働く永野三智さんの初の著書。相思社は1974年に開設。水俣病はチッソの工場が海に流した廃液が原因の病である。56年に公式確認されているが、68年にやっと政府は公害と認定した。相思社は「患者・家族の拠り所」になることを目的として、さまざまな活動を行う。

「患者相談窓口では、来訪や電話で患者の話を聞いています。患者の中には、差別や虐待など大変な人生を送っている方がいます。話を聞くときには、否定せずに全部聞くようにしています。一日に何人もの話を聞いていると、途中から苦しくなって、自然に涙が出るようになるんです。そうやって通ってくるうちに、患者の内面が変わっていくのを感じます。問わず語りに、子どもの頃のことを話したりするようになる。みなさんは誰かに話を…

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