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社説

大谷選手がメジャー新人王 全米沸かせた「翔タイム」

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手(24)がア・リーグの最優秀新人(新人王)に選ばれた。投手と打者の双方で本格的にプレーする「二刀流」選手の新人王は、米球史で初めてという快挙である。

     大谷選手はシーズン中に右肘を痛めたため、投手として実質的には4、5月の2カ月程度しか活動していない。打者では、自身を上回る成績を残した候補がいた。

     それでも、新人王を決める投票で2位の選手に大差をつけた。大谷選手のプレーが米国に与えた衝撃の大きさを物語っている。

     米大リーグでは、「野球の神様」ベーブ・ルース以来の二刀流への本格挑戦であった。しかも、現代の米球界で投打両立は常識外れとの見方が大勢を占める中で挑んだ。

     オープン戦は振るわず、メジャーデビューを危ぶむ声があった。「高校生レベル」と酷評もされた。

     追い込まれた状況で見せた適応力の高さには驚かされる。開幕までのわずかな期間で修正し、初登板で初白星を挙げると、本拠地初打席で初本塁打をマークした。

     その後も、160キロを超す速球を投げて、並み居る強打者を抑えたかと思うと、特大の本塁打を放った。人なつっこくて明るい笑顔と、見たこともない選手像にファンは引きつけられた。

     投打にわたって活躍する姿には「SHO TIME」の愛称がつけられ、全米に広まった。日本でも「翔タイム」は今年の流行語大賞にノミネートされている。

     大谷選手から感じるのは自己のスタイルを貫く強い意志である。日本選手の大リーグ入りに道筋をつけた、トルネード投法の野茂英雄投手や、振り子打法のイチロー選手にも同じ強さがあった。

     大谷選手の出現で米球界に変化が見られ始めた。主力野手が救援投手としての練習を積む球団もある。常識にとらわれない選手育成が今後出てくるかもしれない。

     先月、大谷選手は右肘の手術を受けた。来年は打者に専念し、二刀流復活は再来年以降になる。

     野球において打つことと投げることは連続した行為である。今季の大谷選手からは、あらためて野球の原点を教えられた。

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