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ちきゅう、プレート境界断層へ 大地震懸念の南海トラフ、海底下5200メートル掘削計画

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 近い将来、大地震を起こすと懸念される南海トラフで、海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が海底の掘削を続けている。目指すのは海底下約5200メートル。過去に何度も地震を起こしてきたプレート境界断層の岩石を採取する世界初の試みだ。【池田知広】

 ●固着域を直接観測

 10月10日、静岡市の清水港。全長210メートルの「ちきゅう」が大勢の見送りを受けて出航した。向かったのは紀伊半島沖の熊野灘。この地点は過去の航海ですでに海底下約3000メートルまで掘削してあり、今回は約5200メートルまで掘り抜くことを目標としている。8カ国の研究者が参加する国際共同プロジェクトだ。

 南海トラフは駿河湾から日向灘にかけて延びる海溝のような場所。フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む境目で、90~150年おきに大地震を起こしてきた。プレート境界の断層がのりでくっついたように動かず、ひずみをため込んでいる場所は「固着域」と呼ばれる。ひずみが大きくなり、耐えきれずに固着域がずれ動くときに大地震が発生する。

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