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欧州ニュースアラカルト

ブリュッセル支局の八田浩輔特派員が、国際ニュースの速い流れに埋もれてしまいがちな欧州の話題を分野問わず取り上げます。

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「欧州の首都」に初の黒人首長 コンゴ難民が歩んだ道のり

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ベルギーの自治体で初めて黒人の首長となるピエール・コンパニーさん=ブリュッセルで2018年10月24日午後1時15分、八田浩輔撮影
ベルギーの自治体で初めて黒人の首長となるピエール・コンパニーさん=ブリュッセルで2018年10月24日午後1時15分、八田浩輔撮影

 「これで35本目のインタビューです」

 待ち合わせ場所に指定されたブリュッセル郊外のカフェで、先に到着した秘書の女性が少しうんざりしたように言った。私はこの日、10月中旬のベルギー地方選挙で国内初の黒人首長に選ばれたピエール・コンパニーさん(71)とインタビューの約束をしていた。

 <ベルギー><コンパニー>と聞けばピンとくる人もいるかもしれない。長男のバンサンさん(32)は、サッカーのイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティーで活躍する世界的スター選手で、FIFA(国際サッカー連盟)ランキング1位のベルギー代表の支柱である。それゆえ選挙を終えた「コンパニーの父」に、国内外のメディアからインタビューの依頼が殺到するのは当然のことだった。

 しかし私はどちらかといえば、「コンパニーの父」ではなく、コンゴからの難民として40年以上前にベルギーに渡った彼自身の来し方に興味をもっていた。待ち合わせ時間ちょうどに現れたピエールさんにその旨を伝えると、小さくうなずいて口元を緩めた。

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