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余録

米映画「モアナ」(1926年)では…

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 米映画「モアナ」(1926年)では南洋のサモアで暮らす当時の家族の姿が美しく今によみがえる。今秋、日本で再公開された著名なドキュメンタリー映画だ。タロイモをとり、丸木舟で漁をする主人公の若者モアナ。痛みに耐えて大人になるため、入れ墨を施す儀式が始まる▲昔から世界各地で行われてきた入れ墨だが、ことあるごとに議論を呼ぶ。来年日本で開催されるラグビー・ワールドカップでは国際統括団体が公共の場で入れ墨を隠すよう選手らに要請した。東京五輪・パラリンピックでも議論は白熱するだろう▲医師免許がないのに入れ墨を客に施したとして医師法違反に問われた彫り師について、大阪高裁は医療行為には当たらないと、無罪を言い渡した。「入れ墨は歴史的背景のある風俗」という理由だ▲入れ墨は日本でも昔、タブー視されてはいなかった。古くは3世紀ごろの日本社会を描写した中国の魏志倭人伝(ぎしわじんでん)にも記されている。男たちは漁で海に潜る時、大魚や水鳥に襲われないよう体に彫っていたという▲時代ははるか下り、現代の温泉施設では暴力団関係者を想定して「入れ墨お断り」が多い。シールを貼って隠せば入浴を認めるところもある。一方、街を歩けば、ファッションの一つとしてよく見かけるようになった▲映画「モアナ」には、サモアの人々の伝統、文化への畏敬(いけい)が感じられる。入れ墨の議論はなかなか難しいが、私たちが今、手にしている物差しだけでは測りきれないものがあるのは確かだろう。

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