連載

縮む日本の先に

都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

連載一覧

縮む日本の先に

「移民社会」の足音/4 出稼ぎ、日本より中東

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
マニラ国際空港にある出稼ぎ労働者用のターミナル入り口に並ぶフィリピン人=武内彩撮影
マニラ国際空港にある出稼ぎ労働者用のターミナル入り口に並ぶフィリピン人=武内彩撮影

 「寂しいけど、頑張って!」。フィリピンの玄関口・マニラ国際空港では連日、大きな荷物を抱えた男女が家族に見送られ、海外に旅立つ。「OFW(Overseas Filipino Workers)」と呼ばれる出稼ぎ労働者だ。空港ターミナルには専用のゲートや出国審査カウンターもある。2062年まで生産年齢人口(15~64歳)が増えると予測されるフィリピンは、国境を超えた労働力供給源となっている。

 「夫婦が離れるのはつらいが、どちらかが出稼ぎすれば、生活は楽になる。2年間は戻らないつもり」。マニラ近郊で夫と幼い子供2人と暮らすレア・パンガニバンさん(27)は近く、バーレーンで住み込み家政婦として働く。夫で電気工のアリエスさん(28)は日本の技能実習生への応募も考えたが「日本語の能力基準が厳しいと聞いて諦めた」。公用語の英語が通じ、就労手続きも簡単で、すぐに稼げるという中東にレアさんが行くこ…

この記事は有料記事です。

残り1256文字(全文1651文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集