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昭和史のかたち

昭和史研究で知られるノンフィクション作家の保阪正康さんの長期連載。「昭和」という時代をさまざまな角度からひもときます。毎月1回更新。

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昭和史のかたち

公然化する「ウラの言論」=保阪正康

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感性と記憶に頼らぬ歴史観を

 平成という元号は、あと半年ほどで終わる。次の元号がどのようになるのか、人々の関心も日々高まっている。あれこれ予想しての歴史談議も盛んになっているようだ。ところで、この平成という時代は、どのように語り継がれるのだろうか。昭和とは異なった時代様相であるだけに、歴史的には多様な言い方がされるのではないかと思う。

 昭和は「戦争」という語が軸になって語られてきた。いわば戦争の持つ加害性、そして被害性が混在しながら、しかし戦争は二度と繰り返すべきではないとの原則が社会の底流にあり、それが昭和の後期(いわば戦後という語に収斂(しゅうれん)していたのだが)には強い流れをつくっていた。戦争の記憶と記録が父と母の役目を果たし、そこに教訓ともいうべき子供が生まれていたのである。この教訓がいわば戦後社会の顕教化した言論と…

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