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入管法改正案

調査データに集計ミス 審議入り見送り

衆院法務委員会理事懇談会が休憩に入り、大勢の報道陣を前に話し合う葉梨康弘委員長(右)と立憲・山尾志桜里氏(左)ら=国会内で2018年11月16日午後2時49分、川田雅浩撮影

 外国人労働者受け入れ拡大に向けた入管法改正案を巡り、法務省は16日の衆院法務委員会理事懇談会で、失踪した技能実習生への聞き取り調査結果に集計ミスがあったと明らかにした。調査人数や「失踪の動機」の内訳が誤っていたほか、実習生への実際の質問とは異なる集計項目があることも判明し、野党が猛反発。立憲民主党は葉梨康弘委員長(自民)の解任決議案を提出し、与党は予定していた改正案の実質審議入りを見送った。

 改正案の審議入りは20日以降にずれ込む見通し。政府・与党が目指す来月10日までの国会会期内の成立は微妙な情勢になってきた。

 法務省はこれまで与野党に示した資料で「2892人を調査し、約87%が『より高い賃金を求めて』失踪した」と説明していた。しかし調査内容を精査した結果、16日に実際の調査人数を2870人と訂正した。失踪動機のうち、「より高い賃金を求めて」の割合は実際には全体の約67%で、大きな食い違いがあった。

 それ以外の動機の割合についても、「実習終了後も働きたい」を約14%から約18%に▽「指導が厳しい」を約5%から約13%に▽「暴力を受けた」は約3%から約5%に--などと、それぞれ訂正した。

 法務省は、パソコンでのデータ処理で操作を間違ったり、1人の実習生が複数の選択肢を選んだ際に「2人分」とカウントしたりしたことが原因だったと釈明した。訂正前の資料を基に質問してきた野党は「制度の根幹にかかわる致命的なミス」(立憲の山尾志桜里氏)と反発した。

 さらに、調査で失踪動機の選択肢だった「低賃金」「契約賃金以下」「最低賃金以下」の三つを、法務省が独自に「より高い賃金を求めて」として合算していたことも判明。野党からは「大変な思いをしてきた実習生を『高い賃金目当て』とひとくくりにする意図だったのでは」と疑問視する声が上がった。立憲の辻元清美国対委員長は、委員長解任決議案を提出した理由を「法務省が実態をねじ曲げていた可能性があるのに、強引に審議を進めようとした」と記者団に語った。

 調査対象者2870人の国籍別では中国人が1537人と最多で、続いてベトナム人の1085人。月額給与は「10万円以下」が約57%を占めた。

 調査は全国の地方入国管理局を通じて2017年に実施。17年末時点で来日中の技能実習生は27万4233人で、政府は同年中に7089人が失踪したとしている。今回の入管法改正案は、3~5年の実習を終えた技能実習生が新しい在留資格「特定技能1号」(在留期間通算5年まで)を取得し、日本での就労継続を可能にするなどの内容。【青木純、和田武士】

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