メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

アフリカノート

野党分裂で波乱含みのコンゴ大統領選

マルタン・ファユル氏が野党統一候補に選ばれたことを祝う同氏の支持者=キンシャサで12日、ロイター

 12月23日投票の大統領選挙を前に、コンゴ民主共和国の政局が大きく動いている。主要野党7党は今月11日、実業家のマルタン・ファユル氏を統一候補とすることで合意したが、翌日に最大野党の党首が合意からの離脱を表明。2001年から実権を握り続けてきたカビラ大統領の後任を選ぶ選挙は波乱含みの様相を強めている。

 アフリカ中部に位置し、アフリカで2番目に国土が広いコンゴは、1960年にベルギーから独立して以来、内戦や紛争を繰り返してきた。今回の選挙は、さらなる流血と分裂を引き起こさずに政権交代を実現できるかにも注目が集まっている。

 現職のカビラ氏は2016年末に憲法で上限として規定された連続2期目の任期を終えた後も退陣せず、治安情勢や選挙準備の遅れなどを口実に大統領選の実施を先延ばしにしてきた。そして今年8月にラマザニ前内相を後継候補に指名した。

 戦争犯罪と人道に対する罪に問われ、6月の国際刑事裁判所(ICC)の控訴審で逆転無罪となったベンバ元副大統領らも出馬の意向を表明したが、カビラ政権の息がかかった選挙管理委員会は立候補を認めなかった。

◇野党陣営は合意の翌日に分裂

最大野党・民主社会進歩同盟(UDPS)のフェリックス・チセケディ党首が野党統一候補に選ばれなかったことに抗議する同氏の支持者ら=キンシャサで12日、ロイター

 ベンバ氏やカトゥンビ前カタンガ州知事といった大物の立候補が阻まれる中、野党各党の代表はジュネーブで3日間の協議を開き、エクソンモービル元社長のファユル氏擁立を決定。「初の野党統一候補」が誕生と海外メディアでも大きく報じられたが、最大野党・民主社会進歩同盟(UDPS)のフェリックス・チセケディ党首は12日、地元ラジオ局の番組で「支持者の理解が得られない」として、合意文書への署名を撤回すると述べた。

 さらにコンゴ国民連合(UNC)のビタル・カメレ党首も合意離脱を表明し、野党の分裂が鮮明になった。

 米ニューヨーク大の調査機関「コンゴ研究グループ」が10月末に公表した世論調査の結果では、チケセディ氏が他候補を大きく引き離してトップ。そのためUDPSとしては、知名度が低いファユル氏の支持に回るのは納得できなかったようだ。ただ、コンゴ大統領選は上位2候補による決選投票がないため、複数候補の間で野党支持票が分散すれば、与党候補に有利に働くとの見方が強い。

◇「院政」を狙うカビラ大統領

 コンゴは97年にモブツ独裁政権が崩壊した後、内戦に突入した。ルワンダをはじめとする周辺国が介入する国際紛争に発展し、死者は計約540万人に上ったとされる。

 鉱物資源が豊富な東部では02年の和平合意後も武装勢力が乱立するほか、近年は首都キンシャサなどでもカビラ氏の留任に対する抗議デモが拡大した。カビラ氏は米国やEU(欧州連合)などからも批判を浴びて3選出馬を断念したが、南アフリカ安全保障研究所のステファニー・ウォルターズ氏は、ラマザニ氏の指名について「カビラ氏は自身に忠実な人物を後継者に据えて、退陣後も影響力を維持しようとしている」と分析する。

 何度も延期が繰り返された末に、投票日の約1カ月前になって「カビラ氏の腹心対野党統一候補」の構図が崩れた今回の選挙。果たしてカビラ氏のもくろみ通りに進むのか、それとも--。野党側は、今回から導入される電子投票システムにも「不正な操作が行われる可能性がある」と今から疑念を向ける。野党が土壇場でボイコットする可能性もあると指摘されているうえ、選挙が実施されたとしても開票結果を巡ってもめることになりそうだ。開票結果を巡る不満が新たな衝突を誘発しかねないと危惧されている。【小泉大士】

小泉大士

ヨハネスブルク特派員。インドネシアの邦字紙で7年間勤めた後、2006年入社。さいたま支局、社会部を経て、2016年4月から現職。

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 札幌の飲食店付近で爆発 けが人10人以上か 札幌市
  2. 許さない 性暴力の現場で/4 兄からの虐待 逃げ得…納得できない /群馬
  3. 札幌飲食店付近で爆発 店「跡形もなく」 消防員近づかないよう呼びかけ
  4. 爆発 マンション駐車場で車大破 1人けが 大阪・東淀川
  5. 雑居ビルで爆発 42人負傷 ガス爆発の可能性も 札幌市

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです