来春を目標に東京電力福島第1原発事故の避難指示解除を目指す福島県大熊町大川原地区で、ざるを伏せたような半球状に無数の花をつける「ざる菊」が色とりどりに咲いている。準備宿泊を始めたり、避難先から通ったりしている住民同士が苗をやり取りして栽培を広げてきた。人けの少ない町に秋の彩りを加えている。【乾達】
4月に始まった準備宿泊で滞在する住民宅や、幹線道路沿いの畑、町役場の建設が進む復興拠点入り口、ダムなど約5カ所に計約2000株が植えられている。1株が直径50~80センチほどに育ち、10月中旬ごろから赤、白、黄色、オレンジ、ピンクの花をつけている。見ごろは過ぎたが、11月下旬まで花は続くという。
最初に栽培したのは、同県会津若松市の仮設住宅から通い、大川原の自宅の手入れを続けてきた佐藤右吉さん(79)。道中にある田村市の農園で見て気に入り、4年前から庭で育てている。春に植えた小さな株から立派に育っていくのが楽しみで、当初の20株から増やして今年は500株に。斜面まで花が覆う庭園のような景色になった。
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