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社説

第三者委のいじめ調査 被害者への誠実な説明を

 子供が自殺を図るまで追い詰められたいじめは、なぜ起きたのか。原因を解明し、再発防止につなげるはずの第三者委員会が機能していない事例が相次いでいる。

     調査に取り組む姿勢と、家族への説明が極めて不十分だ。家族の不信感が募るのは当然である。

     大津市で中学2年の男子生徒が自殺した事件を機に2013年、いじめ防止対策推進法ができた。

     同法に基づき、子供の心身に重大な被害があったり、長期間の不登校になったりした場合は「重大事態」として、教育委員会や学校は民間の識者などで構成する第三者委員会を設置する。文部科学省のガイドラインは第三者委が被害者に寄り添い、解明した事実を丁寧に説明するよう求めている。

     山梨県北杜市で昨年11月、自殺を図った中1の女子生徒(14)のケースでは、学校側は「重大事態」と認めず、第三者委を置かなかった。家族の要望を受けてようやく設置したが、第三者委のメンバーや選定理由について「公平性・中立性は確保されている」として開示を拒んだ。

     埼玉県川口市では中3の男子生徒(15)が3回自殺を図り、不登校になった。市教委は第三者委の内容だけでなく、設置したことさえ生徒側に伝えていなかった。

     教委や学校が原因究明に消極的なうえ、第三者委が被害者側と信頼関係を築いていないことが、こうした姿勢に表れている。いじめを早く発見し、被害拡大を防ぐ法律の趣旨に反するのは明らかだ。責任追及を避ける保身と見られても仕方がない。

     神戸市では当時14歳の女子生徒が自殺した問題で、学校は同級生らに聞き取りしたメモを教委幹部の指示で隠蔽(いんぺい)し、第三者委はメモが「破棄された」とする報告書を作成していた。被害者側にすれば学校や第三者委が一体に見えるだろう。これでは報告書を信じられるはずがない。

     文科省は第三者委の問題点を検証し、対策を講じるべきだ。

     北杜市の女子生徒は原発事故で故郷の福島県南相馬市を離れ、いじめに遭った。毎日新聞の取材に「もっとつらい人もいるんだと思って耐えてきた」と語った。

     彼女たちの叫びを、教育界は受けとめているだろうか。

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