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<kyoiku no mado>
前期の終了を目前にした10月3日、明晴学園(東京都品川区)の小学部の子どもたちは朝からうきうきしていた。欠席や遅刻の事務連絡は1件もない。学園ではこの日、川崎市にある、ろう者のためのデイサービス施設「ななのわ」から高齢者ら約20人を招き、交流会が開かれた。
子どもたちはお客さんをもてなそうと数日前から準備をしていた。お菓子を入れる箱を折り紙で作り、手の型から手話の単語を答える「手型(しゅけい)ゲーム」や、ついたての裏で眼鏡やスリッパなどを取り換えて現れ、違う部分を探す「間違い探し」などの出し物を用意した。最初は表情が硬かった子どもたちも、隣に座ったおばあさんやおじいさんたちと言葉を交わすと笑顔が見られるようになった。ゲームでは、六つのグループごとに答えを見つけ出した。世代間のギャップは多少あるが、手話という共通の言葉で通じ合い、会は大いに盛り上がった。
「小学5、6年生の教室です。普通は壁や扉がありますが、ここにはありません。僕たちは目から情報を得ます。周りの状況が見えるように開放的になっています」。交流会後、6年生の江浦心輝(こうが)さん(12)ら4人が、ろうのお年寄りたちを案内していた。子どもたちは自分たちが通う学校の特徴を日ごろからよく聞かされているようで、チャイムの代わりに光るランプなど視覚から情報を得やすくなっていることを手話で誇らし…
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