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短歌月評

忘れられた時間=加藤英彦

 今年は日本歌人クラブ創立70周年記念の事業が各地で活発である。その中でも、先月東京で開催された三枝〓之と永田和宏による対談「前衛短歌が忘れたもの」は刺戟(しげき)的であった。

 戦後、第二芸術論や短歌否定論が吹き荒れる中でその風圧に耐え、短歌を“思想を盛る器”として再生した歌人たちがいた。塚本邦雄、岡井隆、寺山修司らを中心とするいわゆる前衛短歌運動である。近代的な写実主義や短歌の私性を否定し、暗喩や虚構の導入によって時代の危機と向きあおうとした。

 その影響を最も濃く受けた世代の旗手である三枝と永田が、前衛短歌の忘れものを語ろうというのだ。それはとても大切なことである。この「前衛短歌が忘れたもの」とは失念したのではなく、忘れ去るべき遺制として彼らが意識的に忘却の彼方(かなた)に封印したものだからだ。

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