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都市部への人口流入の陰で、地方は深刻な過疎化と高齢化に直面している。財政赤字に苦しむ国の支援には限界があり、地方が目指す未来には不透明感が漂う。人口減と向き合う自治体や住民の思いを交えながら、地方が存続するための処方箋を探る。

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「移民社会」の足音/5 文化継承担う留学生

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日本料理の調理実習で講師(右端)のお手本を見つめるフィンランド出身のバエリノロさん(左端)ら=大阪市阿倍野区の辻調理師専門学校で2018年10月16日、幾島健太郎撮影
日本料理の調理実習で講師(右端)のお手本を見つめるフィンランド出身のバエリノロさん(左端)ら=大阪市阿倍野区の辻調理師専門学校で2018年10月16日、幾島健太郎撮影

 「肉じゃがのダシの味を舌で覚えて」。講師の指示で、フィンランド出身の女性、バエリノロ・バン・アンさん(21)は真剣な表情で小皿のダシ汁を口にふくんだ。辻調理師専門学校(大阪市阿倍野区)の2年制コースの授業風景。同校の調理師免許が取得できるコース全体でみると、約1300人の専門学校生の1割超にあたる178人が海外からの留学生だ。

 在日フィンランド大使館に勤めた経験がある母親を持つバエリノロさん。日本料理に関心を持つようになり、2018年4月に入学した。フィンランドでは健康志向などから日本食への関心は高いが、料理人の大半は中国人という。「本当の日本料理とは味が全然違い、祖国では勉強にならない。日本で働きながら学びたいと思った」と振り返る。

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