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余録

テレビ映像作家の今野勉さんが旅番組「遠くへ行きたい」を作っていた当時である…

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 テレビ映像作家の今野勉(こんの・つとむ)さんが旅番組「遠くへ行きたい」を作っていた当時である。長野県の山村を撮影の下調べに訪れ、土地に伝わる婚礼の祝い歌を撮る話になり、当日は歌える人の出演をお願いした▲さて撮影隊が着いた日、何と村は住民総出で婚礼の準備中だった。花嫁はイメージ撮影用に連れてきたモデルがつとめたが、花婿や仲人、親類一同も住民が扮(ふん)し、料理も酒も本物と同じ婚礼を村人たちが自主的に再現してくれたのだ▲おかげで迫真の撮影ができたが、これをどう番組にするか。旅人役の伊丹十三(いたみ・じゅうぞう)さんと相談して、初めは偶然に婚礼に出合ったことにして祝宴の模様を紹介し、終わったところで「実は」と撮影の経緯をありのままに明かしたのである▲つまりは、テレビが来た!と村民総出で演技を楽しんだ村の「もうひとつの事実」も伝えられたわけである。さて、こちらは「実は」がどうにもはっきりしない。人気バラエティー「世界の果てまでイッテQ!」のやらせ疑惑である▲番組で扱ったラオスとタイの祭りを週刊文春に「でっち上げ」と報じられたが、日本テレビは当初これを否定した。その後、現地のコーディネーターが祭りを事実上主催していた例があったのを認めたが、やらせの意図はないという▲過去のやらせ事件での下請け制作会社への責任転嫁が頭をよぎるのも仕方ない。番組は先日も高視聴率だったが、高い数字は真相を解明して視聴者に説明する責任の大きさをも示しているのを忘れてはいけない。

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