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「利き手で物も持てなくなった。将来のことを考えられない」。中国人技能実習生の黄世護さん(26)は自分の右手を見つめ、目を潤ませた。
中国で仕事が見つからず、2015年12月に実習生として来日し、中部地方の段ボール製造業者で働き始めた。16年7月、厚紙を貼り付ける作業の最中、右手が機械に巻き込まれた。
勤務先に退職を迫られ、断ると「警察に通報するぞ」と脅された。帰国すると渡航のため借金した60万円が無駄になってしまうため、岐阜県内の労組が運営する「駆け込み寺(シェルター)」に相談した。労組の援助で労災を認めてもらったが、復元手術を受けても親指以外の4本は今も曲がらない。「『技能実習』のはずなのに勉強させてもらえず、金も稼げなかった」。黄さんは顔をゆがめる。
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