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社説

財政審議会の意見書 借金まみれの平成の教訓

 有識者らで構成する財務相の諮問機関、財政制度等審議会が平成時代30年間の財政を総括した意見書を提出した。平成最後の来年度予算編成を控えてまとめたものである。

     意見書は、平成の財政を「受益の拡大と負担の先送りを求めるゆがんだ圧力にあらがえなかった時代」と位置付けた。高齢化で社会保障費が急増する中、財源を借金に頼った政権や財政当局を批判したものだ。

     今年度末の国債残高は883兆円と平成を通じて5倍以上に膨らむ。つけを回される将来世代を「悲劇の主人公」と表現し、「平成の過ちを繰り返してはならない」と求めたのは大げさではなかろう。

     この審議会は財務省の意向が反映されやすい。そうした審議会が過去の財政運営を批判するのは異例である。とりわけ通算7年近くもの長期政権を担った安倍晋三首相は、重く受け止めるべきではないか。

     日本の財政が危機的状況にあることは明らかだ。国と地方の借金総額は国内総生産(GDP)の2倍以上に上る。巨額の軍事費を大量の国債で賄い、破綻寸前だった第二次世界大戦末期に匹敵する水準である。

     しかもこれから少子高齢化に伴う人口減少がますます進む。借金が膨らむほど、将来世代が背負う1人あたりの負担はどんどん重くなる。

     平成は日本経済の転換期だった。バブル景気がはじけ、低成長が当たり前になった。環境が変わった以上、財政も漫然と借金に頼らず、負担を分かち合って高齢化を支える仕組みにすることが欠かせない。国民に理解を求めるのは政治の役割だ。

     なのに首相は現実離れした高成長と税収増を当て込み、歳出抑制や負担増にほとんど手をつけなかった。

     先月には2回延期した消費増税を来年10月に行うと表明したが、来年度予算案には大型景気対策も盛り込む。負担先送りに歯止めをかける増税本来の理念はかすむばかりだ。

     こうした中で、首相は防災対策の公共事業が柱の今年度第2次補正予算案の編成も指示した。景気浮揚も図るというが、防災にかこつけた不要不急の事業が紛れ込まないか。

     首相は少子高齢化を「国難」と呼んできた。ならば借金にまみれた苦い教訓を踏まえ、高齢社会を乗り切れる財政を早急に目指すべきだ。

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