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社説

ゴーン日産会長逮捕 長期独裁の大きなゆがみ

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 世界最大規模の自動車グループを率いるカリスマ経営者が、高額報酬を有価証券報告書に過少記載した疑いで逮捕された。

     日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者は、社内や関連企業に過酷なコストカットを強いてきた。その裏で私腹を肥やしていたのであれば、重大な背信行為である。

     会社の私物化がまかり通った今回の事件は、「長期独裁」が生んだ大きなゆがみと言わざるを得ない。

     ゴーン容疑者は経営危機の日産を立て直すため、筆頭株主になった仏ルノーから1999年に送り込まれた。大胆なコスト削減で日産の業績をV字回復させ、19年にわたり経営トップの座に君臨してきた。

     その間、今回の不正を共謀した疑いで逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者を代表取締役に起用するなど側近で周りを固めた。

     日産の報酬は毎年10億円前後に上り、株主らから高すぎると批判が上がっていた。逮捕容疑によると実態はその2倍にも達していた。

     会社は株主だけのものではなく、ましてや取締役のものではない。

     ゴーン容疑者はかつて、高額報酬批判に対して欧米の企業の例を持ち出し、「グローバル企業はグローバル市場の基準で報酬を支払う必要がある」と言い放った。そうしたおごりが今回の事件の温床になったのではないか。

     国内トップクラスの報酬を得ながら、隠れてそれ以上の報酬を得ようとした動機は何か。どんなからくりで実現したのか。捜査当局には徹底した解明を期待したい。

     西川広人社長は「1人に権限が集中しすぎた」と事件の背景を説明した。経営再建の立役者とはいえ、その人に対する監視機能を果たせなかった日産経営陣の責任は重い。

     株主や市場の信頼回復を図るには経営体制の抜本見直しが必要だ。

     ゴーン容疑者はルノーのトップも兼ね、2年前には買収した三菱自動車の会長にも就いた。その強力なリーダーシップで3社を束ねてきただけに、事件が与える3社連合への影響も大きいはずだ。

     自動車産業は、自動運転や電動化などの技術を競う激変期にある。3社の経営陣は提携戦略の立て直しを急ぐべきだろう。

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