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賠償提訴

車いすでワイン試飲「拒否不当」 都内の50代男性 百貨店「過去に事故、安全優先」

ワインを試飲中に渡された紙のコピーを前に「悲しく怒りを覚えた」と振り返る車いす利用者の男性=東京都世田谷区で、成田有佳撮影

 車いす利用者であることを理由にワインの試飲をやめさせられたのは、障害者差別解消法が禁じる不当な差別にあたるなどとして、手動車いすを使う東京都内の50代男性が、百貨店とテナントに170万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。百貨店側は男性側に、店内で過去に電動車いすの事故が起きたことを挙げて「客や従業員の安全確保のため」と説明し、不当な差別ではないと主張している。第1回口頭弁論は21日に開かれる。【成田有佳】

     訴状によると、男性は8月、手動車いすで西武池袋本店(東京都豊島区)地下1階の酒売り場を訪れた。ワインを1杯1000円程度で試飲できるコーナーで、計2000円を支払って2杯目を飲んでいると、店員の一人に「車イスおよび電動車イスでご来店のお客さまの試飲は、ご容赦ください」と書かれた紙を渡され、試飲をやめるよう求められた。男性は深酔いしておらず、理不尽だと感じて抗議したが対応は変わらなかった。

     一昨年4月施行の障害者差別解消法は8条で「事業者は障害を理由に不当な差別的扱いをし、障害者の権利利益を侵害してはならない」と定めており、男性側は後日、文書で改めて抗議した。西武側は文書で回答し、2年前に開いた「フランス展」の会場で、ワインを試飲した電動車いす利用者が他の客の足をひいたり、販売員の足に接触したりする事故が起きたと説明。客と従業員の安全確保のため、車いす利用者にアルコールの試飲を遠慮するよう掲示などで求めており、「必ずしも不当な差別に該当するものとは判断していない」と反論した。

     一方、「第三者の目にも触れる掲示や、車いす利用者の個々の状態・状況に配慮しない一律の対応は不適切で、誤解を招くものだった」と認め、今後は個別に説明して協力を求めた上で、客の判断に委ねるとしている。

     車いすは長さ120センチ、幅70センチ、高さ109センチを超えず、電動でも最高時速6キロ以下であれば、道路交通法上、歩行者とみなされる。電動については警察庁作成の安全利用に関するマニュアルに「飲酒等をして利用することは絶対にやめましょう」との記述がある。

     西武を経営するそごう・西武の広報担当者は毎日新聞の取材に「訴訟になっている事例についてはお答えできない」と話している。

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