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寡婦控除

未婚に所得制限、事実婚は対象外 与党調整

ひとり親の寡婦控除制度

 2019年度税制改正の焦点の一つ「寡婦控除」のひとり親への適用拡大について、政府・与党は、新たに加える未婚者には所得制限を設ける方向で調整に入った。子どもの貧困対策と位置づけているためで、事実婚の世帯を適用から外すことも検討している。

 寡婦控除制度は、戦争で夫を失った妻の生活を支える目的で1951年に創設された。法律婚をした後、配偶者と死別や離婚したひとり親は、所得から一定額が差し引かれるため、税の負担が軽減される。婚姻歴のある女性のひとり親は所得制限はなく、男性は年収500万円以下が対象。離婚や死別後に事実婚をしていても適用を受けられる。

 寡婦控除の適用拡大を巡っては、政府・与党は、未婚のままひとり親となった人を対象に加える方向だ。しかし、自民党内には婚姻関係を重視する伝統的家族観に反するとして不満がくすぶっている。適用拡大に積極的な公明党は「『子どもの貧困』という観点で自民党を説得するしかない」(税調幹部)としていて、対象を低所得世帯に絞り込み、事実婚の世帯も対象から外すことで制度設計を詰める方針だ。【横田愛】

「婚姻歴で差別、おかしい」

 寡婦控除の適用拡大を巡る政府・与党の方針によると、ひとり親世帯でも過去の婚姻歴の違いで所得制限のラインが変わる。

 「全てのひとり親を平等に扱ってほしい」。九州に住む40代の未婚ひとり親の女性はこう訴える。

 元婚約者から妊娠中に家庭内暴力(DV)を受け、逃げるように同居先を出て未婚のまま出産。難病を抱える小学3年の息子の治療時間確保のため、正社員で働くことをあきらめ、月十数万円のパートで生計を立てる。

 「婚姻歴がないことを理由に寡婦控除を受けられないのはおかしい」。昨年11月からネット上で署名活動を始め、今年10月末に2万3000筆を超える署名を関係省庁や与党の税制調査会幹部に提出した。

 女性は「今の制度だと、婚姻届を出した次の日に離婚しても寡婦控除が受けられてしまう。子どもにとってひとり親になった経緯は関係ない。死別でも離婚でも未婚でも、支援が必要なことに変わりはない」と訴える。

 首都圏の未婚ひとり親の40代女性も「未婚のひとり親だけ『低所得者世帯』に限るのは、現行制度とのダブルスタンダードで格差が残る」といい、制度の一本化を求めている。【横田愛】

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