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ゴーン会長逮捕

日産3社連合暗雲 ルノー後任協議へ

 【ロンドン三沢耕平】日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者の逮捕は、日産・三菱自動車・ルノー連合だけでなく、ルノーの大株主であるフランス政府も巻き込んだ混乱に発展している。仏政府の要請を受け、ルノーは20日に取締役会を開き、ゴーン体制に代わる暫定的な経営体制を巡り協議する見通し。三菱自動車を交えた日仏3社連合の行方は不透明となってきた。

 ロイター通信などによると、フランスのルメール経済・財務相は20日、仏ラジオ番組で「ゴーン会長はもはやルノーを率いる立場にない」と語り、ルノーに暫定的な経営体制の構築を急がせる考えを表明した。これを受け、ルノーは20日に取締役会を開催。ゴーン会長の解任と後任選びが協議される見通しだ。後任の最高経営責任者(CEO)には同社ナンバー2のティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)が取りざたされている。

 ルノー株15%を保有する筆頭株主の仏政府にとっても、ゴーン会長の逮捕が衝撃だったのは、日産とルノーの経営統合はマクロン大統領が閣僚時代から描いてきた「長年の悲願」だからだ。日産の生産拠点をフランス国内に建設することで雇用を創出し、経済の起爆剤にできる。

 ルノーが日産に資本参加したのは1999年。バブル崩壊後の販売不振で日産が倒産寸前に陥っていた時期で、当時は「救世主」と歓迎された。こうした経緯から、ルノーが日産に43%を出資するのに対し、日産のルノーに対する出資は15%にとどまる。日産は資本関係の上でルノーの連結子会社だが、現在は株式の時価総額や販売台数などでルノーを上回っており、「親子逆転」の状態にある。このため、近年、資本関係を巡って両社は神経戦の状態にある。

 ゴーン会長はもともと日産の独立性を重視する立場だったが、今年2月、ルノーがゴーン会長のCEOに再任方針を決めて、日産・ルノーが統合する可能性を必ずしも否定しない姿勢に転じ、関係者の間では「仏政府寄りの立場になったのではないか」と取りざたされていた。

 しかし、ゴーン会長逮捕を受け、資本関係を巡るせめぎ合いの動向は一段と読みにくくなった。それ以前に、両社の連携さえ揺らぎかねない。日産とルノーが別々のトップとなった場合、どう関係を維持していくかは見通せず、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは「3社連合の立役者であるゴーン会長を抜きにして現体制を維持するのは難しい」と報じた。

 日本政府も動向を注視しており、世耕弘成経済産業相は20日夜、ルメール経済・財務相と電話協議を行い、両社の安定的な関係の維持に向け支援していくことで一致した。

キーワード=日産・三菱・ルノー連合

 1990年代に経営難に陥った日産自動車に対し、99年に仏自動車大手ルノーが出資し、大胆なリストラに加え、幹部派遣や人事交流、部品の共同購入などを通じ経営の立て直しを進めた。現在ルノーは日産株の43.4%を保有する筆頭株主。日産も経営再建後、ルノー株の15%を取得したが、議決権は持たない。2016年に三菱自動車が燃費不正問題を受け日産の傘下に入り、3社連合となった。17年の販売台数は3社合計で1060万台。独フォルクスワーゲンに次ぐ世界2位となり、世界市場でシェアを伸ばしてきた。これまでも研究開発や生産、販売面で協力してきたが、さらに電気自動車(EV)や自動運転技術に関しても連携強化に取り組んでいる。

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