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テレビ朝日

「相棒」薬物依存の演技 偏見助長に懸念

 テレビ朝日系ドラマ「相棒 season17」(水曜午後9時)で、薬物依存症の女性が登場したシーンが話題になっている。女優の鬼気迫る迫真の演技を評価する声がネット上などにあふれたが、薬物依存症の専門家からは「偏見や差別を助長しかねない」と懸念する意見も出ている。

 問題のシーンは、7日に放送された第4話の終盤。女優の江藤あやさんが演じる薬物依存症の中年女性が、公園のベンチに座る警察官を、奇声を発しながら殺害。逮捕後、取調室で自身のことを「シャブ山シャブ子です。17歳です」と名乗る。

 覚醒剤を指す俗称「シャブ」を用いたインパクトある名前と、焦点の合わない目をした狂気の演技が注目され、ツイッターなどで放送直後から大きな話題になった。しかし、薬物依存症にかかわる専門家からは批判もある。

 このシーンを見た国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦・薬物依存研究部長は「薬物依存症は精神障害の一種だ」と指摘し、覚醒剤などの薬物を使用した人が必ずしも依存症になるわけではないと説明する。しかも薬物依存症の人がドラマで描かれた女性のように予測できない動きをしたり、幻覚が現れたりするのはまれだといい、「薬物への誘惑を子供たちに仕掛けてくる人は一見普通に見えることがほとんど。薬物依存症の人間を過度な演出で描くことはむしろ、乱用防止の観点からも逆効果だ」と批判した。

 また、取調室のシーンの直後に刑事たちが「責任能力を問えない可能性がある」と会話した場面について「精神障害を持つ人と暴力や殺人を結びつけてしまいかねず、精神障害への偏見を生む可能性がある」と指摘した。

 2000年に2時間ドラマとして始まった相棒は、02年から連続ドラマ化されて続く人気シリーズ。視聴率も高く影響力が大きいだけに「『シャブ山シャブ子』というキャッチーな名前が、女性の薬物依存患者をやゆする言葉として流布されてしまう可能性がある。薬物を使用した人がきちんと回復し、社会復帰している例もたくさんある中、偏見を強化させてはならない」と懸念する。

 テレビ朝日広報部は「ご指摘を真摯(しんし)に受け止め今後の番組制作に生かしてまいります」とのコメントを出している。【井上知大】

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