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記者の目

伊方原発再稼働、広島高裁が容認 安易すぎる論拠「社会通念」=小山美砂(広島支局)

四国電力伊方原発3号機の再稼働が認められ、抗議の垂れ幕を掲げる住民側関係者ら=広島市中区の広島高裁前で9月25日、平川義之撮影

 昨年12月に広島高裁が四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた仮処分決定を巡る異議審で、同高裁(三木昌之裁判長)は今年9月、一転して再稼働を容認する決定を出した。異議申し立てが認められた四電は10月27日から3号機を再稼働させた。高裁は決定理由で「発生頻度が著しく小さいリスクは容認する社会通念がある」としたが、「想定外」の津波で起きた東京電力福島第1原発事故を経験し、各種の世論調査でも約半数が再稼働に反対する日本社会が、本当にリスクを許容しているのか。私は強い疑問を感じる。

 「決定は歴史に断罪される」。9月25日、広島高裁前で住民側は怒りの声を上げ、四電側は胸をなで下ろしていた。差し止め決定からわずか9カ月で、全く逆の判断を導く根拠となった「社会通念」という言葉。気になって広辞苑で引いてみると、「社会一般で受け容(い)れられている常識または見解」とあった。

 司法での社会通念の用いられ方を研究する加賀山茂・明治学院大名誉教授(民法)によると、訴訟では遅くとも1910年代から使われ、法学者の間でも「あいまいな不確定概念で、裁判官の主観が入りやすい」と指摘する声が多いという。ただ、原発差し止め訴訟に限っても社会通念を理由にした判断は少なくない。

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