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余録

きょうは勤労感謝の日…

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 きょうは勤労感謝の日。祝日法に「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」とあるが、分かりにくい。勤労と聞いて、憲法に定められた教育・納税と並ぶ三大義務を思い出す人も多いだろう▲戦前は天皇が神々に秋の新穀をささげ、共に食して感謝する新嘗祭(にいなめさい)の日だった。戦後、天皇祭祀(さいし)と切り離し国民の祝日とするため、このように改められた。縁起を秘し趣旨を生かそうと苦心した民主主義風の名称というわけだ▲由来は大切だが、伝統も一筋縄ではいかない。国を代表し天皇が新嘗祭を行う形は飛鳥時代に始まったとされるが、15世紀の応仁の乱後、18世紀に再興されるまで途絶えていた。皇室の大祭に指定されたのは20世紀になってからである▲5年前、天皇陛下の傘寿(さんじゅ)記念で宮内庁が公表した映像に新嘗祭を執り行う様子があった。保守派から「神事は見せ物でない」との批判もあったが、公開には、象徴としてのお務めのあり方を国民に知らせようという天皇陛下の配慮がうかがえる▲かつて13世紀から19世紀まで、新天皇の即位式では、手の指で「印相(いんそう)」と呼ばれる形を結び、秘密の言葉である「真言(しんごん)」を唱える秘儀が行われた。仏教の要素が取り払われ、神道儀礼に整えられたのは明治天皇の即位式からだ▲天皇制のあり方も世につれ移りゆく。変わるものは変わってこそ変わらないものが残る。来年の新嘗祭は、新天皇が初めて行う大嘗祭(だいじょうさい)として11月14日から15日未明に行われ、勤労感謝の日の宮中祭祀はない。

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