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社説

日産がゴーン会長解任 カリスマ脱却の転換点に

 日産自動車は金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたカルロス・ゴーン会長を解任した。日本を代表する企業トップが投資家を欺くという疑いを持たれた以上、解任は当然だ。

     解任を決めたきのうの臨時取締役会は4時間にも及んだ。強力なリーダーシップで20年近くも君臨したトップが退場した後の経営をどうするか、という深刻な課題に直面したことの表れであろう。

     カリスマの退場は、日産の経営にとって大きな転換点になる。

     自動車業界は今、歴史的変革期に直面している。世界的な環境規制の強化に伴い、電気自動車の開発競争が激しい。自動運転を巡ってはITなど異業種からの参入が活発だ。ライドシェア(相乗り)の普及で車の保有が減っていくとも指摘される。

     こうした時代は、技術開発や提携を巡るトップの決断が社の行方を大きく左右する。

     日産はゴーン時代に電気自動車の量産化にいち早く取り組んだが、優位に立っているとは言えない。

     変革期を乗り切るかぎは、新経営陣がいかに的確に意思決定できるか、ということだ。社内の混乱を最小限にとどめて、ゴーン頼みから脱却していく必要がある。

     もう一つの大きな課題は資本提携先との関係だ。ゴーン前会長は、フランス・ルノー、三菱自動車との3社連合の「扇の要」だったからだ。

     特に資本提携するルノーとの関係だ。本来、資本提携は事業で緊密に協力するとともに株主として互いの経営をチェックする役割がある。

     だが、日産株式の4割超を持つルノーのトップは、ゴーン前会長が兼務してきた。これでは日産の経営に監視の目が届くわけがない。ゆがんだ関係をただす機会である。

     ルノーの最も有力な株主であるフランス政府との関係も焦点だ。

     仏政府は自国の雇用拡大や税収増を図ろうと、ルノーを通じて日産への支配力を強めようとしてきた。日産はルノーを収益でしのぐ。このため日産には反発が強い。ゴーン前会長が仏政府寄りになる懸念もあった。今後はルノー株の買い増しを検討するなど関係がきしみかねない。

     提携は自動車メーカーの戦略の要である。日産の健全な経営に資する安定した関係を目指してほしい。

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