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ストーリー

加害者家族を支えて10年(その1) 顔上げられるように

東京学芸大の人権教育の授業で、学生に語り掛けるNPO法人「ワールドオープンハート」の阿部恭子理事長=東京都小金井市で2018年11月8日、田中理知撮影

 その知らせは、元夫からの突然の電話によってもたらされた。長男が交際相手に対する殺人未遂容疑で逮捕された--。テレビが報じたと聞き、女性(40代)は耳を疑った。

 どうすべきか。何も思い浮かばない。夕方、警察から連絡を受けた。夢だったらとの願いと、「生活はどうなるのか」との不安が入り交じる。友人から、犯罪加害者家族を支援するNPO法人「ワールドオープンハート」(WOH、本部・仙台市)を紹介された。わらをもつかむ思いで阿部恭子理事長(40)に連絡し、裁判などの説明を受けた。勇気を奮って勤め先の上司にも説明し、理解を得た。

 だが、気持ちは追い詰められたままだった。食事をしてもいいのか。青空の下を歩いていいのか。息を吸うことすらはばかられた。

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