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余録

長蛇の列ができたのは「冷蔵庫」だった…

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 長蛇の列ができたのは「冷蔵庫」だった。殖産興業を目的に1903年に大阪で開かれた第5回内国勧業博覧会である。敷地も建物も空前の規模で、海外18カ国からの出品も集めた明治最大の国家イベントだった▲人気を集めた冷蔵庫は冷蔵倉庫で、人が入って食品保存を見学しながら涼を楽しんだ。日本初の大規模イルミネーション、エレベーターつきの高塔、蒸気乗り合いバスも登場した博覧会である。入場者は5カ月間で435万人だった▲70年の万博まで日本最大の博覧会だったこの内国博は大阪を大きく変える。跡地が天王寺公園と盛り場「新世界」になったからだ。公園はその後も種々の博覧会の舞台となり、新世界の中心に建った通天閣は大阪のシンボルとなった▲こう振り返ると街の歴史の節目に巨大イベントがあった「博覧会都市・大阪」である。そして2025年、2度目の万博が大阪湾の人工島、夢洲(ゆめしま)で開かれる。「東京五輪から大阪万博へ」--昭和の黄金のロードマップの再現である▲だが「夢ふたたび」の夢が昭和や明治と同じものですむはずはない。そもそも五輪後の景気浮揚という期待も、巨大イベントを都市再興の起爆剤にという企図も、もはや見尽くした夢ではないか。そう疑ってみても無駄ではあるまい▲「いのち輝く未来社会のデザイン」。「いのち」を掲げて新たな味つけをしたテーマだが、さてこれにどんな内容を盛るのか。新しい夢を描き出す底力こそが問われる21世紀の博覧会都市・大阪である。

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