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社説

象牙の違法取引 世界と協調し市場閉鎖を

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 象牙の市場を閉鎖する動きが世界的に進んでいる。違法な流通をなくし、絶滅の危機にあるアフリカゾウを密猟から守るためだ。

 一方、日本政府は、国内の象牙は適切に管理されているとの立場で、市場を維持する方針だ。しかし、国際NGOの調査によれば、密輸出につながる外国人客への象牙製品の販売が横行している実態が浮かぶ。

 東京五輪で外国人旅行者が増えれば、不適切な取引が拡大しかねない。世界と歩調を合わせ、日本も国内市場の閉鎖を決断すべきだ。

 象牙の国際取引はワシントン条約で1990年に原則禁止されたが、現在も毎年約2万頭のアフリカゾウが密猟されている。テロ組織の資金源になっているとの指摘もある。

 このため、2年前の同条約締約国会議で、密猟などに寄与する象牙市場の閉鎖勧告が決議された。

 世界最大の市場だった中国は昨年末で国内取引を原則禁止し、台湾や英国でも閉鎖手続きが進む。だが、中国での象牙人気は高く、密輸は根絶されていない。その温床の一つとされるのが、日本の国内市場だ。

 日本では印鑑や和楽器、装飾品などに象牙が使われてきた。ワシントン条約による規制前に輸入されたものは現在も流通しているが、国外への持ち出しは禁じられている。

 ところが、国際NGO「トラフィック」が今年6~8月に、国内の骨董(こっとう)市や観光地に出店する75業者に象牙製品を国外に持ち出せるかを覆面調査で聞いたところ、6割が「構わない」と答えたという。

 政府は改正した種の保存法を6月に施行し、象牙取扱業者を届け出制から登録制に変えた。法令違反の罰則も強化した。それでも、NGOの調査が示すように、日本の市場を通じ、象牙が海外に違法に持ち出される恐れはいまだに残されたままだ。

 政府は象牙の国内在庫量を把握できておらず、違法に国内に持ち込まれた象牙を見分けることも難しい。

 国内の象牙市場は20億円規模で、縮小傾向にある。業界の保護からゾウの保護にかじを切るべき時ではないか。代替品がない製品に限り、取引禁止の例外とする方法もある。

 このままでは、日本はアフリカゾウの密猟に加担していると世界から批判されても仕方がない。

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