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正直に言うと、情報公開請求なんて調査報道が得意な敏腕記者が使う制度で、私には縁遠いと思っていた。でも「武器としての情報公開」(ちくま新書)を読んで自分の不明を恥じた。「縁遠い」と思っちゃいけなかったんだ!
著者は、同僚の日下部聡記者。情報公開制度を駆使し、石原慎太郎・元東京都知事の公私混同ぶりを追及したり、憲法解釈をめぐって内閣法制局がいかに記録を残していなかったかを暴いたりした取材体験などを紹介している。
心打たれたのは、富山市在住の吉田憲子さん(72)の話。障害児支援に関わっていた彼女は障害児関連の予算の情報公開を求めたのをきっかけに、何度も必要に応じて制度を利用してきた。その結果、ジャーナリストでも研究者でもない彼女が、日下部記者に先んじて、安保関連法案の決裁日をめぐる貴重な文書を内閣法制局から引き出したのだ。
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連載
あした元気になあれ
小国綾子記者の「元気」を追いかけるコラム。
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筆者
小国綾子
大阪生まれ。1990年毎日新聞入社。2007年秋に退社し、家族で渡米。4年間の米国暮らしを経て11年に帰国し、毎日新聞社に再就職しました。趣味は合唱と手抜き料理。リコーダーや鍵盤ハーモニカも吹きます。毎週火曜日夕刊にコラム「あした元気になあれ」を連載中。著書は「魂の声 リストカットの少女たち」▽「アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた」(ミズノスポーツライター賞優秀賞)▽「?が!に変わるとき 新聞記者、ワクワクする」(2015年度読書感想画中央コンクール課題図書)など。