正直に言うと、情報公開請求なんて調査報道が得意な敏腕記者が使う制度で、私には縁遠いと思っていた。でも「武器としての情報公開」(ちくま新書)を読んで自分の不明を恥じた。「縁遠い」と思っちゃいけなかったんだ!
著者は、同僚の日下部聡記者。情報公開制度を駆使し、石原慎太郎・元東京都知事の公私混同ぶりを追及したり、憲法解釈をめぐって内閣法制局がいかに記録を残していなかったかを暴いたりした取材体験などを紹介している。
心打たれたのは、富山市在住の吉田憲子さん(72)の話。障害児支援に関わっていた彼女は障害児関連の予算の情報公開を求めたのをきっかけに、何度も必要に応じて制度を利用してきた。その結果、ジャーナリストでも研究者でもない彼女が、日下部記者に先んじて、安保関連法案の決裁日をめぐる貴重な文書を内閣法制局から引き出したのだ。
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