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号外東証、一時1000円超安 新型コロナ感染拡大懸念
余録

日本人の「問題先送り」は世界に誇る文化だと説いたのは…

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 日本人の「問題先送り」は世界に誇る文化だと説いたのは美術家の赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい)の「優柔不断術」だった。狭い島国の農耕社会では角(かど)の立つ問題は棚上げして無用の争いを避けた。時が解決するのを待つのである▲ふくれ上がった財政赤字を指摘して、この論の欠陥をあげつらうのは容易だろう。だが危機を先送りすれば破滅すると始めた米国との戦争の惨禍(さんか)をも経験した日本人である。悲惨な結末を避けるための「先送り」の効用も知っている▲そもそも解決法の誰にも分からぬ問題は先送りするしかない。それは洋の東西を問うまい。欧州連合(EU)と英政府は英国のEU離脱をめぐり合意したが、内実は「合意なき離脱」だけは避けようと諸難題を先送りしたものだった▲「最良で唯一の合意だ」とはメイ英首相とユンケル欧州委員長が口をそろえて強調したところである。合意では離脱後も最大4年近く英国のEU単一市場残留が可能となり、注目の北アイルランドの国境問題も解決策は先送りされた▲だが実質上の離脱先送りの合意に英与党内の離脱強硬派は大反発している。一方で国民投票再実施を求める親EU派も合意反対を唱え、英議会の合意承認は難しい情勢という。「合意なき離脱」による経済混乱の悪夢は去っていない▲英世論調査では合意支持は23%というから、問題先送りはやはり不人気のようである。だがかつての島国より地球が狭くなった今日、英国民にはあいまいさに耐える「優柔不断」の効用も忘れないでほしい。

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