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チャリティーコンサート

宝塚OG毎日希望奨学金 鎮魂の響き、被災地へ 3月12日、Bunkamuraオーチャードホール

(左から)姿月あさとさん、杜けあきさん、貴城けいさん=青野武雄氏撮影

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北翔海莉さん=青野武雄氏撮影
白羽ゆりさん=青野武雄氏撮影
森の中にたたずむ「漂流ポスト」=岩手県陸前高田市で、小川昌宏撮影

思い寄せ、祈る場に

 東日本大震災で亡くなった人へ宛てた手紙を預かる「漂流ポスト」。全国から届く手紙には、拭い去れぬ悲しみや、未来への決意など、さまざまな思いがしたためられている。来年3月12日に東京都渋谷区のBunkamuraオーチャードホールで開催する「宝塚OG毎日希望奨学金」チャリティーコンサートは、「忘れない~天国の大切なあの人へ~」と題し、こうした手紙の朗読と歌でつづる。出演は杜(もり)けあきさん、姿月(しづき)あさとさん、貴城(たかしろ)けいさん、北翔海莉(ほくしょうかいり)さん、白羽(しらはね)ゆりさんの5人。出演者を代表して、杜さん、姿月さん、貴城さんの3人にコンサートへの思いを聞いた。【聞き手・小玉沙織】

     夢をかなえるために進学を目指す子どもたちを応援する、毎日希望奨学金のチャリティーコンサート。出演者が所属した宝塚歌劇団は、入団前に養成機関である宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)で2年間学ぶ必要がある。近年の入試の競争倍率は20倍以上、入学後はレッスンだけでなく、生活ルールも厳しいことで知られる。夢に向かって過ごした2年間は、3人にとってどんなものだっただろうか。

     「厳しいからこそ、同期が団結していた。幸せなことに私はトップになれたが、同期はいい意味でスター扱いせず、心地よく過ごせましたね」と仲間のありがたさを挙げたのは、杜さん。

     姿月さんは「1人が失敗すると、同期全員が連帯責任を負った。その経験から自己管理の大切さや、舞台への責任感を学びました」と語る。

     東京都出身の貴城さんは、中学卒業後、音楽学校の寮に入った。「親元では学べないことを多く学べた。小中学校とは違う、特別な場所でした」と感謝する。

      ♪

     そんな音楽学校時代を終え、夢を届ける立場になった3人にとって、東日本大震災はどんなものだったのか。

     被災地、仙台市出身の杜さん。震災当時は、舞台の稽古(けいこ)中で、地元に帰れたのは1カ月以上たってからだった。「なかなか家族と連絡がつかず、生きている心地がしなかった」と振り返る。

     家族は無事だったが、家を流された親族から、幼い頃の写真を焼き増ししてほしいと頼まれた。「思い出すら奪われてしまう。経験しないとわからないことでした」

     姿月さんと貴城さんは、宝塚在団中の1995年に阪神大震災を経験している。

     姿月さんは東日本大震災の当日は名古屋にいた。「救急車や消防車のサイレンが鳴りやまず、阪神大震災を思い出して、精神的につらかった」と声を落とす。「16年たってもそういう気持ちになったので、家族を亡くされた方の傷はまだ癒えていないと思う」と気遣う。

     東日本大震災の前日まで仙台で公演をしていたという貴城さん。「あのときのお客様は大丈夫だっただろうかと心配でした」。震災後も、各地での公演が続いたが「公演をしている場合なのかと悩みました」と吐露する。だが徐々に、まずは自分のやるべき仕事をやろうと思えるようになったという。「東日本大震災をきっかけに自分の目指す道が明確に見えました」と話す。

      ♪

     杜さんは避難所を訪問した際、歌うことには抵抗があったという。だが、被災者からリクエストされ、宝塚の代表曲「すみれの花咲く頃」をアカペラで披露した。「冒頭の『春すみれ』と歌った途端に、体育館の空気が変わった感じがして、みなさんが現実から離れたのがわかりました。歌の持つ力を体感し、この仕事の意味を再確認しました」と話す。

     歌の持つ力について、姿月さんは、兄を突然亡くした悲しい経験を引き合いに出して語る。「それまでよく歌っていた『涙そうそう』にのせる思いが変化しました。人生を重ねていくことで、新しい魅力が見えるのが歌」と、言葉に実感がこもる。

     貴城さんも「うれしい気持ちを倍にして、悲しい気持ちを鎮火させてくれるのが歌の力だと思いますね」と同意する。

     そんな歌の力と、被災者の思いが詰まった手紙の朗読で作り上げる今回のコンサート。杜さんは「まだまだ復興が進んでいないところはある。被災地に思いを寄せ、祈る場にしたいですね」と願った。

     ♪楽曲一部発表♪

     宝塚歌劇を代表する演目「ベルサイユのばら」より「愛あればこそ」が決定。フランス革命のパリを舞台に王室や民衆たちの姿を描いた壮大な物語の代表曲を宝塚OGが愛を込めて歌いあげます。

    漂流ポストとは

     岩手県陸前高田市のカフェ「森の小舎(こや)」にある郵便ポスト。店主の赤川勇治さんが、震災遺族の“心にしまわれたままの悲しみ”を手紙を書くことで少しでも癒やすことができればと2014年から始めた取り組み。手紙の数は既に500通を超え、それぞれの手紙には天国の大切な人へ向けた愛の言葉がつづられている。

     手紙は要望がない限り公開しており、店内で読める。投函(とうかん)は匿名も可。宛先は〒029-2208 陸前高田市広田町赤坂角地159の2 森の小舎「漂流ポスト3・11」へ。


    チケット発売中

    公演情報

    日時

     2019年3月12日(火)午後6時半開演(同5時半開場)

    会場

     Bunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区道玄坂2の24の1)

    出演

     杜けあき、姿月あさと、貴城けい、北翔海莉、白羽ゆり/豊永利行(語り)

    チケット

     8000円(全席指定、未就学児不可)

    キョードー東京(0570・550・799)

    チケットぴあ(0570・02・9999、Pコード131-290)

    ローソンチケット(0570・084・003、Lコード72461)

    CNプレイガイド(0570・08・9999)

    イープラス(http://eplus.jp)

    Bunkamuraチケットセンター(03・3477・9999)

    問い合わせ

    毎日新聞社事業本部(電話03・3212・0804、平日午前10時~午後6時)

    主催:毎日新聞社

    後援:スポーツニッポン新聞社

    協賛:グリー、ネスレ日本

    企画・構成:カニリカ

    演出:三枝孝臣

    制作:acali

    協力:オスカープロモーション、オフィスウォーカー、KAIRIスピリッツ、スーパーエキセントリックシアター、ホリプロ、モーリス(50音順)

    運営協力:キョードーファクトリー


    毎日希望奨学金

     毎日新聞社と毎日新聞社会事業団は、2011年3月11日に発生した東日本大震災に対し、この震災で保護者を亡くした「震災遺児」を支援する「毎日希望奨学金」制度を設け、趣旨に賛同いただいた読者や団体などの寄付をもとに、高校や大学、専修学校、大学院(修士課程)に進学を希望する震災遺児に奨学金を給付してきました。月額2万円で返済の必要はなく、他の奨学金制度との併用も可能な毎日希望奨学金は、2018年3月までに約3万5000件、11億円あまりの善意が寄せられ、3億3684万円が延べ1399人に給付されました。

    郵便振替

     毎日新聞東京社会事業団(00120・0・76498)。「奨学金」と明記してください。

    現金書留

     〒100-8051 東京都千代田区一ツ橋1の1の1、毎日新聞東京社会事業団「奨学金」係。

    銀行振り込み

     三菱UFJ銀行東京営業部(普通0422292)。口座名は毎日新聞東京社会事業団希望奨学金。振込手数料は金融機関でご確認ください。

     ※銀行振り込みの場合、領収書や紙面掲載をご希望の方は、その旨を明記して住所、氏名、電話番号を書き、振込用紙の写しを添えて郵送かファクス(03・3213・6744)で東京社会事業団へお送りください。匿名希望の方は明記してください。

     問い合わせは同事業団(03・3213・2674)。


     ■人物略歴

    たかしろ・けい

     1992年宝塚歌劇団入団。2006年に宙組トップスターに就任。「コパカバーナ」「維新回天・竜馬伝!」「ザ・クラシック」に出演。退団後も主演舞台「サイド・ショウ」「ビクター・ビクトリア」のほか「屋根の上のバイオリン弾き」「アプローズ」「愛と青春の宝塚」「CHICAGO」など多数のミュージカルに出演。著書に「宝塚式『ブスの25箇条』に学ぶ『美人』養成講座」がある。


     ■人物略歴

    もり・けあき

     1979年宝塚歌劇団入団。88年に雪組トップスターに就任。「ベルサイユのばら」「華麗なるギャツビー」「ヴァレンチノ」などの名作に主演。退団公演となった「忠臣蔵」大石内蔵助役にて、現役生としては初の菊田一夫演劇賞を受賞。93年の退団後は、「出雲の阿国」「風と共に去りぬ」「エリザベート」「CHICAGO」などに出演。宮城赤い羽根特使、みやぎ絆大使、おおさき宝大使も務める。


     ■人物略歴

    しづき・あさと

     1987年宝塚歌劇団入団。98年1月、65年ぶりに誕生した「宙組」初代トップスターに就任。「エクスカリバー/シトラスの風」「エリザベート」など、数々の名作で主演。2000年5月「砂漠の黒薔薇/GLORIOUS!」の舞台を最後に退団。退団公演でのチケット競争率、ファンの動員数は当時の史上最高を記録。退団直後より「歌手・姿月あさと」として活動を開始する。


     ■人物略歴

    ほくしょう・かいり

     1998年宝塚歌劇団入団。2015年5月に星組トップスターに就任。16年11月「桜華に舞え/ロマンス!!」をもって退団。18年5月「蘭RAN」にてダブル主演。9月には20周年記念コンサート「CHALLENGER!!ザッツ☆北翔テイメント」を開催。19年3月から上演の「ふたり阿国」にて主演。


     ■人物略歴

    しらはね・ゆり

     1998年宝塚歌劇団入団。2005年「ベルサイユのばら」マリー・アントワネット役で星組主演娘役に就任。06年雪組主演娘役に就任し、「エリザベート」ではエリザベート皇后役を務めた。09年の退団後も「シェルブールの雨傘」「Bonnie&Clyde」「ピーターパン」「魔女の宅急便」「アニー」などに出演。

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