全国から東京に集まった酪農家と懇談する機会があり、厳しい環境に置かれた酪農家の生の声を聞いた。親が酪農を営むものの「仕事が大変なわりに収入は少なく、継ぐつもりはない」と率直に語る若い女性がいた。「自分は望んで就いたが、子供に強いるつもりはない」という女性の酪農家もいた。だが真剣なまなざしは「どうすれば子供に譲れる酪農ができるか」を模索しているようだった。
搾乳、エサやり、排せつ物処理などが1日に2、3度ある酪農家が牧場を空けることは並大抵ではない。従業員に業務を任せる経営体も増えているが、従業員が少ない経営体は、休みを取る従業員の穴埋めを経営者自身がおこなう。終日外出する際、代わりに作業を担う酪農ヘルパーを派遣してもらうが、有償である。「自分が休みを取るために、お金を払う職業が他にあるだろうか」という酪農家の言葉は重い。
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