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余録

18年前にボリビアの街コチャバンバで起きた紛争は…

 18年前にボリビアの街コチャバンバで起きた紛争は、市場原理万能のグローバリズムへの途上国住民の抵抗として語り継がれた。怒りの的となったのは市の水道事業の米企業による民営化と料金値上げだった▲民営化は世界銀行の融資条件だったが、多数の死傷者を出す騒乱の末に米企業は撤退する。この「ボリビア水戦争」が反グローバリズム運動のシンボルとされたのは、命の源である「水」の支配への反発が共感を呼んだからであろう▲最近、このボリビアの出来事をよく耳にするのは、水道事業の“民営化”を可能にする水道法改正案のせいである。水道施設の所有権を自治体に残し、運営権のみを業者に売却するこの方式、厚生労働省は「官民連携の推進」と呼ぶ▲施設老朽化、水需要の減少でピンチの各地の水道事業である。改正案はより広域の自治体が連携できる仕組みを作る一方で、民間活力の導入もできるようにするものだ。しかし競争原理の働かない水道事業で民間活力は機能するのか▲実は今、世界の水道事業は一度踏み切った民営化から公営へと戻る流れのなかにあるという。民営化による高料金や水質悪化、漏水などは途上国ばかりか先進国でも不満を呼び起こし、15年間で37カ国235都市が再公営化したのだ▲人が下りていく船への乗り込みを後押しする水道法改正案は国会で審議中だ。安価で安全な水の安定した供給なしに地域と住民の暮らしは存続できない。三つの「安」のために今なすべき論議を尽くしたい。

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