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社説

徴用工で再び賠償命令 日韓首脳は率直に協議を

 戦時中の韓国人元徴用工や元女子勤労挺身(ていしん)隊による訴訟で、韓国最高裁が再び日本企業に賠償命令を出した。今回も、元徴用工らの請求権問題は1965年の日韓請求権協定では未解決との見解を示した。

     同様の訴訟は他に12件あり、追加提訴の可能性もある。今後も日本企業への賠償命令が続くとみられ、日韓関係の一層の悪化が懸念される。

     両政府は従来、徴用工問題は請求権協定で解決済みとの立場で一致していた。国交正常化の前提条件を覆す司法判断が相次ぎ、このままでは対話の糸口さえつかめなくなるような事態に陥りかねない。

     韓国政府は過去の外交文書などから、徴用工問題は韓国政府が対応すべき問題だと整理していた。これを否定する司法判断との折り合いをつけるのは、韓国側の責任だ。

     しかし、韓国が対応策をまとめるのを日本が待つばかりでは、双方の感情的な対立が激しくなるだけだ。

     このため安倍晋三首相と文在寅(ムンジェイン)大統領が会談して今後の方向性について協議してはどうか。きょう始まる主要20カ国・地域(G20)首脳会議はその好機となりうる。トップ同士が顔を合わせることで、互いの国内世論を静める効果も期待できよう。

     会談は、双方とも国内世論を意識して平行線となりかねず、現段階では行わない方が良いという考え方もあるだろう。だが、首脳外交が比重を増す現代だからこそ、率先して向き合う姿勢を内外に示すことは意味があるはずだ。

     日韓双方は、北朝鮮問題の解決に不可欠なパートナーだ。貿易相手国としても無視できない存在である。年間約1000万人に上る両国の交流にも影を落としてはならない。

     また、国際社会のリーダーとして、隣国との関係悪化を放置するのは望ましくない。問題があるからこそ会談するという成熟した姿勢を示すことが必要だろう。

     世論の悪化は、地方にも影響を及ぼしている。埼玉県秩父市は、韓国への批判が多く寄せられたため、12月から実施予定だった韓国の姉妹都市・江陵(カンヌン)市との職員相互派遣の見送りを決めたという。

     困難な課題があっても、首脳同士が話し合う。日韓両政府はこれを習慣にする努力をしてほしい。

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