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社説

秋篠宮さまの大嘗祭発言 前例踏襲への問題提起だ

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 国民が自らのこととして考えるための問題提起と受け止めたい。

     皇太子さまの天皇即位後に行われる皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」について、秋篠宮さまが誕生日を前にした記者会見で、憲法に定められた政教分離の観点から「国費で賄うことが適当かどうか」と述べられた。そのうえで、天皇家の私的生活費にあたる「内廷費」を使うべきだという考えを示し、波紋を広げている。

     新天皇が五穀豊穣(ほうじょう)を祈る大嘗祭について、政府は国事行為とせず、平成の代替わり時と同様、皇室行事として行うことにし、公費である宮廷費を充てることを決めている。

     宗教色の強い行事に公費を使うことに反対する声は今も根強いが、政府が深い議論を経ないまま前例を踏襲した形だ。安倍政権のこうした姿勢が招いた発言といえる。

     平成の大嘗祭では、中心的な行事「大嘗宮の儀」の祭場建設を含め、費用は総額約22億5000万円に上った。秋篠宮さまは「身の丈に合った儀式」にすることが本来の姿とも述べている。時代に合わせて簡素なものにする議論は今後も必要だ。

     天皇は「国政に関する権能を有しない」と憲法4条に定められている。このため、皇族は天皇に準じて、基本的に政治的な発言を控えるというのが習わしだった。

     その中で、秋篠宮さまはこれまでも天皇の負担軽減を図るために「定年制は必要」と述べるなど、皇室制度についてご自身の意見を明らかにしてきた。今回も宮内庁に意見を伝えたが「(相手は)聞く耳を持たなかった」と明確に述べている。

     秋篠宮さまは来年5月から皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)になることが決まっている。発言が社会に与える影響は大きく、慎重さが求められる。今回の発言を「政治的」と疑問視する声もある。だが、皇室と国民の距離が変わりつつある中で、皇族が個人的な意見表明を一切控えるというのでは、皇室を逆に国民から遠ざけることになるだろう。

     天皇陛下が一昨年、退位のお気持ちを表明されて以降、皇室のあり方が国民的議論になっている。

     平成が終わろうとする今、秋篠宮さまの発言が、新しい時代の皇室像を議論する契機になるのか。主権者の国民の意識も問われる。

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