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社説

パワハラ防止の法制化 職場環境を変える一歩に

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 職場でのいじめ・嫌がらせなどのパワーハラスメント(パワハラ)について、厚生労働省は法律で企業に防止措置を義務付ける方針を固めた。2019年の通常国会へ関連法案の提出を目指す。

     パワハラとは、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的苦痛を与えることを指す。

     被害者に仕事への意欲を失わせ、うつ病など精神疾患を引き起こす要因となっているのがパワハラだ。休職や退職、自殺に至ることもある。経営者にとっても生産性の低下や人材流出を招くなど損失が大きい。

     17年度の精神障害による労災認定は506件で、パワハラなど「対人関係」によるものが112件を占める。労働局に寄せられる相談では「いじめ・嫌がらせ」に関するものが7万2000件を超える。この6年間はパワハラ関連の相談がトップを占めている。

     セクハラや妊娠・出産した女性へのマタニティーハラスメントに関しては、男女雇用機会均等法で相談窓口設置といった防止措置が企業に課されている。しかし、パワハラ対策は自主努力に委ねられている。

     大企業ではパワハラ対策に取り組むところが増えているが、従業員99人以下の中小企業では26%しか対策を実施していない。人間関係が緊密なため声を上げにくく、企業も取り組む余裕がないためという。

     法制化によって企業に課せられる防止措置は、相談窓口の開設や社内規定の整備などが想定されている。さらに、悪質な企業名の公表、再発防止のための社員研修の義務化なども盛り込むべきだ。

     労組側からは具体的なパワハラ行為を法律に例示した上で禁止規定を明記することを求める声も強い。実際にパワハラ被害にあっても、企業が形式的に相談窓口や社内規定を設けていれば免責される可能性があるためだ。

     ただ、経営者側は必要な指導もパワハラと訴えられることへの懸念が強い。個々のケースによっては判断が難しい場合もあるだろう。

     パワハラのない職場環境を作るのは労使双方にメリットとなる。まずは現実的な法制化でパワハラ抑止の一歩を踏み出すべきである。

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