演劇

この1年 出色の作品 節目演出

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高麗屋三代襲名。1月歌舞伎座「口上」より。(左から)市川染五郎、松本幸四郎、松本白鸚
高麗屋三代襲名。1月歌舞伎座「口上」より。(左から)市川染五郎、松本幸四郎、松本白鸚

 今年の歌舞伎界最大の話題は二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎の高麗屋三代襲名披露であろう。

 1、2月の東京・歌舞伎座を皮切りに、こけら落としの名古屋・御園座、福岡・博多座、大阪・松竹座と各地の大劇場で白鸚が「寺子屋」の松王丸、「忠臣蔵七段目」の由良之助、幸四郎が「一條大蔵譚」の大蔵卿などの大役をつとめた。本年の襲名の締めくくりは、こちらもこけら落としの11月の京都・南座。「勧進帳」は三代の共演となった。白鸚の富樫、染五郎の義経を相手に弁慶の幸四郎が、演じられることのまれな「滝流し」も入れ、立ち役としての充実ぶりを印象付けた。

 優れた舞台には仁左衛門の太平次、大学之助の「絵本合法衢(がっぽうがつじ)」(4月東京・歌舞伎座)▽菊五郎の弁天小僧の「白浪五人男」(5月同)▽吉右衛門の団七の「夏祭浪花鑑」、時蔵のお三輪の「三笠山御殿」(6月同)▽児太郎の雪姫の「金閣寺」、吉右衛門の「俊寛」(9月同)が挙げられる。

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