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「壁」と世界

序章 消えぬ祖国・東独/1(その1) 混迷ドイツ「東」に源流

ペーターさんは左の1枚目の壁を越え「死の領域」と呼ばれる砂地を抜け2枚目の壁(手前右)を乗り越えた=1990年3月(C)Robert Conrad / vimudeap.info

 「止まれ! 撃つぞ!」--。1988年5月4日夜、「ベルリンの壁」を乗り越えたトルステン・ペーターさん(54)の背後でそんな叫び声が響いた。壁は2枚あり、安心はできない。壁と壁に挟まれた中間地帯は、人呼んで「死の領域」。壁越えを目指した多くの人が、ここで銃撃され命を落とした。約100メートルの砂地を息せき切って駆け抜け、2枚目の壁に挑んだ。

 一緒に1枚目の壁を越えた仲間2人の姿は見えない。思い切って壁に飛び移り、暗闇に滑り落ちた。自由と民主主義の地、西ドイツだ。足を捻挫しながらも走り、電話ボックスに駆け込んだ。東側の母親が尋ねる。「今夜はご飯を食べに来るの?」。ペーターさんは言った。「無理だよ。今、壁を越えたんだ」

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