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社説

就労外国人 あるべき制度は 実習制廃し資格一本化を

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 日本は開かれた国であるべきだ。

     この国で働く意欲を持った外国人がいて、国内に相応の需要があるのなら、受け入れるのが理にかなっている。ただ、この関係を持続可能にしていくには、将来を見越して入念に考え抜いた制度が要る。

     日本の外国人政策を転換させる入管法改正案の扱いが大詰めを迎えている。政府・与党は先週、衆院審議を短時間で打ち切って採決し、今週中にも参院で成立させる構えだ。

     人手不足が著しい分野で、外国人労働者を「特定技能」という新たな在留資格で処遇するのが法案の骨格だ。それにもかかわらず、審議で焦点になってきたのは1993年から続く「技能実習制度」だった。

     なぜか。政府は全国各地に約26万人いる技能実習生を、新在留資格者の予備軍と想定しているためだ。

    虚構の建前が生む矛盾

     実習生は途上国への技術移転という名の下に、安価な労働力として低賃金と劣悪な生活を強いられているとの報告が数多く寄せられている。それでも数年たてばある程度の日本語を覚え、仕事にも慣れる。

     そこで最長5年の在留期間で本国に帰すよりも、「特定技能」資格者に移行してもらい、さらに最長5年の在留を可能にしようというのが、新制度の本質だ。ごまかしの土台に建て増そうとする制度だから、土台が議論になるのは当然だった。

     ところが、政府は技能実習制度と特定技能の新設は別ものという強弁を繰り返している。問題の詰まった実習制度に政府が固執するのも、実習生の延長なのに特定技能と名付けて特別に装うのも、実は同じ建前から生まれた矛盾である。

     「単純労働者は受け入れない」という入国管理政策がそれだ。

     日本は「治安が保てない」「国民的なコンセンサスがない」などの理由を挙げて、就労を認める外国人は医師・大学教授などの専門職や、日本人の配偶者などに限ってきた。つまり非専門職=単純労働者は入国を認めないということだ。

     しかし、都会のコンビニで働く出稼ぎ留学生も、過疎地の工場で汗を流す実習生も、明らかに日本が必要とする単純労働者だ。特定技能という名称も、単純労働者ではないとのエクスキューズに過ぎない。

     もはや矛盾に矛盾を継ぎ足すようなことはやめるべきだ。そのうえで非専門職の就労外国人すべてを「一般労働」の在留資格者として一本化することを私たちは提案する。

     実習制度は段階的に数年で廃止して「一般労働」の初級レベル、特定技能相当の人は中級レベルと認定し、全体に悪質業者の排除や労働条件監視の網をかける。虚構の建前を捨てれば制度ははるかに健全化する。

     いびつな入管政策の見直しとともに注力すべきなのは、就労外国人を日本社会の構成員として認知し、生活を支援する社会統合政策だ。

    日本語教育を保障する

     生身の人間だから安価な住宅や病院へのアクセスが確保されなければ安心して暮らせない。さらに地域の習慣や自治会などのルールを覚えてもらう必要がある。日本人への啓発活動も欠かせない。

     とりわけ重要なのが日本語教育だろう。簡単な日本語の会話能力すら身につかなければ、地域に溶け込むことができず、孤立してしまう。

     従って、就労外国人に対して一定時間の日本語講習を公的に保障する制度を早期に導入すべきである。超党派の議員連盟が外国人への日本語教育推進基本法を提案しようとしている。これを就労外国人向けと明確に位置付けるべきだ。

     ところが、政府の法案にはこうした観点からの政策がまったく盛り込まれていない。法案成立後、有識者の意見を聞いてまとめるという法務省の安易な姿勢にはあきれる。

     膨大な業務を伴う司令塔のあり方も大もとから考え直すべきだ。政府は来年4月の新制度スタートに合わせ、法務省の外局として出入国在留管理庁を新設する方針だが、在留外国人の管理を主目的にしてきた組織を格上げしても限度がある。

     外国人のスムーズな就労、地域社会との共生に失敗した場合、地下に潜って不法に滞在する者が増える。その時、地域の摩擦や取り締まりなどで日本が負担する社会的コストは決して軽いものではないはずだ。

     今回の政策転換が将来に重大な禍根を残すことがないよう、国会は政府案の問題点を直視し、根本的な変更を加えるべきである。

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