【ブリュッセル八田浩輔】欧州連合(EU)は3日、運輸相会合を開き、夏時間制度の廃止時期を2021年以降に先送りすることで一致した。欧州委員会は19年中の廃止を加盟国と欧州議会に提案していたが、現行の夏時間と冬時間のどちらを標準時間に設定するかで加盟国同士の調整が間に合わないと判断した。

 EUは現在、3月末に時計の針を1時間進めて夏時間とし、10月末に標準時間(冬時間)に戻す制度を一律で加盟国に義務づける。しかし年に2度の時間の切り替えが健康に与える悪影響などへの懸念が広がり、欧州委がEU加盟国の市民らを対象に今夏実施したパブリックコメントでは84%が廃止を望んだ。

 これを受けて制度廃止を提案した欧州委員会は、現在の夏時間と冬時間のどちらを標準時間とするかを加盟国の判断に委ね、19年春までに決めるよう促していた。しかしEU域内は経度の差に従い三つのタイムゾーンに分かれており、同じタイムゾーンの加盟国が異なる標準時間を採用すれば社会的混乱を招きかねない。今後、個別にパブリックコメントを検討する加盟国もあり「さらなる時間が必要」と結論付けた。