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ノーベル平和賞・ムクウェゲ氏の性暴力被害者支援活動、京都のNPO支える

洋裁の訓練を終え、NPOから贈られたミシンを抱えるコンゴの女性たち=2018年8月、テラ・ルネッサンス提供

    コンゴ民主共和国で「テラ・ルネッサンス」

     紛争が続くコンゴ民主共和国で性暴力の被害者の治療に尽力し、今年のノーベル平和賞に選ばれた産婦人科医、デニ・ムクウェゲ氏(63)の活動を、NPO法人テラ・ルネッサンス(京都市)が現地で支えている。紛争の背景には鉱物資源の争奪があり、NPO側は「資源の最終消費地は先進国。日本も無縁ではない」と指摘。受賞をきっかけに同国への関心が高まることを期待している。

     コンゴ東部では武装勢力などによる性暴力が横行し、ムクウェゲ氏は1999年、南キブ州の州都ブカブに病院を設立。5万人以上の性暴力被害者の治療に取り組んできた。

     一方、テラ・ルネッサンスは2001年に発足。紛争地域で現地の人たちの就労支援や生活再建に取り組み、現在は海外5カ国で活動する。コンゴの女性たちの支援活動に乗り出したのは07年から。09年にはブカブから約60キロ離れた山間の集落に職業訓練施設を開設。ムクウェゲ氏の下で治療を受け退院した被害者らを受け入れ、社会復帰を支える。

    洋裁訓練を受ける女性たちと写真に収まる小川真吾理事長(左から2人目)=2018年2月、テラ・ルネッサンス提供

     コンゴ滞在中の小川真吾理事長(43)によると、手に職をつけようと施設を頼ってきた女性の中には、性暴力を受けた事実を施設に来て初めて打ち明け、スタッフからムクウェゲ氏の病院を紹介される被害者も少なくないという。今年11月末時点で10~30代のシングルマザーら約50人が洋裁技術を学んでいる。

     施設での訓練を終えて洋裁店を営む20代の女性は、小川理事長を通じた毎日新聞の取材に、ムクウェゲ氏について「命の恩人。治療は無償で、食事や寝る場所、退院後の交通費まで用意してくれた」と語った。一方で「レイプされたことで家族や近所の人からのけ者にされ、耐えきれず逃げ出した。物乞いや雑草を食べてしのいだ」と明かした。

     コンゴでは、パソコンや携帯電話に使われるタンタルなどの鉱物が産出され、武装勢力は不正採掘や密売を通じて資金源にしているとされる。小川理事長は「女性たちが手に職をつけ、地域とのつながりを取り戻すには政情の安定が欠かせない」と指摘。「武装勢力の資金源を断つには、資源の大量消費を繰り返す先進国の構造を見直していく必要がある」と訴えている。

     ノーベル賞の授賞式がノルウェーの首都オスロで10日開催されるのを前に、テラ・ルネッサンスは9日、コンゴでの支援活動を紹介する会合を京都市東山区の清水寺で開く。参加無料で定員80人。申し込みは同NPOのホームページ(https://www.terra-r.jp/)から。【松浦吉剛】

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