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木村 衣有子・評『全国もなかぼん』オガワカオリ・著

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「最中種」の形によってジャンル分けがあるとは

◆『全国もなかぼん』オガワカオリ・著(書肆侃侃房/税別1600円)

 車の免許もないのに、ふと「SUBARU」発祥の地を訪ねてみたのは秋口。東武伊勢崎線太田駅北口からすぐのところで、その、群馬製作所本工場正門向かいの和菓子屋「伊勢屋」では自動車をモチーフにしたお菓子をつくっている。私は瓦せんべいを買って帰ったが、ショーケースに並べられていた車のかたちの最中(もなか)にも後ろ髪を引かれていた。『全国もなかぼん』をめくってみると、あった、その姿が。そして、愛知は豊田市にも車をかたどった最中はやはりあると分かる。クラウン、センチュリーなど車種もいろいろ。また別の土地には、バルブ、サイレンサーなどの最中もあり、工業系菓子というジャンルはたしかに存在する。

 『全国もなかぼん』には、250種類の最中が収録されている。もちろん、日本全国にはもっとたくさん最中はあるけれど、当初は「全国おもしろもなか本」というタイトルを予定していたとまえがきにあるとおり、たしかに、可愛く、風変わりで、そうそう思い付かないようなかたちの最中のみを、しかも原寸大で載せている。たとえば、北海道は厚岸(あっけし)の「牡蠣(かき)最中」は牡蠣の貝殻そのままのサイズで、ついナイフでこ…

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