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社説

フランスの反政府デモ 逆風に苦しむマクロン氏

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 フランスのマクロン政権に反発するデモが広がっている。先週末は仏全土で約13万人が繰り出し、パリで一部が暴徒化し放火や破壊、略奪が続発する事態となった。

     きっかけは政府が環境政策の一環として来年1月から予定したガソリンと軽油の増税だ。生活費が上がるのに不満を持つ人たちが先月以来、ソーシャルメディアを通じて週末のデモを呼びかけ合った。

     マクロン政権はとりあえず燃料税の引き上げをいったん見送る方針だ。しかし、これで事態が沈静化する保証はない。なぜなら一連のデモは燃料税だけでなく、マクロン大統領の政策全般への反発に広がってきたからだ。

     デモ参加者の多くは反グローバリズムを説く左右両極の政党の支持者に重なるとみられる。マクロン氏が進める新自由主義的な改革路線に反対する様相を示している。

     マクロン氏の改革は、企業活動の活性化のため雇用・解雇をしやすくしたり、財政赤字の削減のため公務員を減らしたりする策などを柱としている。国民の痛みを伴う改革で経済を再生させ、ドイツと対等の国力で渡り合うという狙いだ。

     だが、労働者層ら庶民から見れば、それらは富裕者層を優遇し企業寄りの策だと映る。春には国鉄の改革をめぐり労働組合のストも相次いだ。社会保障増税やたばこの値上げに対する不満もある。

     昨年は60%台だったマクロン氏の支持率は最近、20%台に落ちた。極右政党は国民議会(下院)の解散・総選挙を訴え始めている。マクロン政権は危機にあると言えるだろう。

     フランスはドイツとともに欧州連合(EU)を支える基軸だ。ドイツに経済力で水をあけられる中、登場したのがマクロン氏で、メルケル独首相との友好関係やEU改革方針は周囲の期待を集めた。

     ところが、メルケル氏は求心力が低下し既に与党の党首辞任を表明した。仏独両国の政権基盤が弱まることは、EUの結束を図る上で大きな打撃だ。

     メルケル氏と二人三脚で国際協調を唱え自国第一主義を批判してきたマクロン氏への逆風は、トランプ米大統領を抑止する勢力が弱まることにもつながりかねない。

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