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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第3部 企業はいま/2 量子コンピューター開発 トップNEC、先越され 「大企業病」で転換できず

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 <科学の森>

共同研究を断る

 「量子コンピューターを共同開発したい」

 2003年ごろ、茨城県つくば市のNEC基礎研究所(当時)に、2人の外国人男性が訪ねてきた。カナダのベンチャー企業の副社長、特許担当とそれぞれ名乗る2人は「私たちは量子コンピューターに関する、ある特許の使用権を持っている」と主張し、共同研究のメリットを強調した。

 量子コンピューターは現在のスーパーコンピューターをはるかにしのぐ計算能力を実現できる可能性があり、現在、各国の企業や研究機関が開発にしのぎを削っているが、当時はまだ基礎研究が始まったばかり。「突然の話だったので驚いた。怪しげだなと思った」。研究員として応対した中村泰信さん(50)はそう振り返る。

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