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米軍機部品発見1年 保育園の空、危険今も

緑ケ丘保育園で見つかった米軍機の部品=沖縄県警宜野湾署で2017年12月7日午後2時36分、佐藤敬一撮影

 沖縄県宜野湾市の緑ケ丘保育園で昨年12月、屋根に米軍機の部品が落ちているのが見つかって7日で1年となる。米軍側は機体からの落下を否定し、県警の捜査は進んでいない。園児の保護者らは、政府の省庁や沖縄の米国総領事館、県などに何度も原因の究明や園上空の飛行禁止を訴えてきたが、全くかなわず、今も米軍機が園の上を飛び続けている。

 保育園は市中心部にある米軍普天間飛行場から約300メートルに位置し、滑走路の延長線上にある。昨年12月7日午前10時20分ごろ、「ドン」という音がし、トタン屋根にプラスチック製の円筒状の物体が落ちているのが見つかった。筒の表面には英語で「飛行前に外せ」と書かれたラベルが。当時は屋根からすぐそばの園庭で園児が遊んでいる時間だった。

 米軍は直前に大型ヘリコプターCH53が普天間飛行場を離陸したことや物体がCH53の装置のカバーであることを認めたが、「普天間飛行場所属のCH53のカバーは全て外され、保管されている」として飛行中の落下を否定。普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の校庭にCH53の窓枠が落ちたのはその6日後の13日だった。

 「子供たちを守りたい」。保育園に子供を預ける保護者でつくる父母会はすぐに、原因の究明や園上空の飛行禁止を求める嘆願書を持って県や沖縄防衛局、在沖縄米国総領事館などを回った。賛同する署名がインターネットを通じて全国から集まったが、園には「事件は捏造(ねつぞう)だ」「自作自演」と中傷のメールや電話が相次いだ。

 保育園や学校上空の米軍機の飛行は止まらず、父母会のメンバーは今年2月、集まった約12万人分の署名を手に上京。国会内で防衛省や外務省の担当者と向き合ったが、返ってきたのは「原因は米軍からの回答待ち」「最大限、園の上空を飛ばないよう米軍に伝える」と木で鼻をくくったような返答だった。

 4歳の長女を預ける父母会の書記、与那城千恵美(よなしろ・ちえみ)さん(45)は「私たち国民の声に耳を傾けてもらえない。日本はそういう国なんだと絶望的な気分になった」と振り返る。子供の命が脅かされるトラブルが相次いだにもかかわらず、米軍に毅然(きぜん)とした対応を取れない日本政府。与那城さんはこの1年で「日本と米国は対等じゃないんだな」と感じたという。保育園に迎えに行くと、長女は「きょうもいっぱい飛んでいたよ」と伝えてくれる。

 神谷武宏園長(56)は「原因究明がなされないまま1年がたとうとしている。そして、米軍が落下を認めていないからか、以前と変わらず米軍機が上空を飛ぶ。沖縄ではこういう不条理が許されており、差別以外の何ものでもない」と語る。そのうえで「日米安保は沖縄の犠牲の下に成り立っているのか。そういうものを日本の方々は容認するのか。日米安保や日米地位協定が憲法よりも上だということをあからさまに言っているようなものですよ」と憤る。

 与那城さんらは部品が見つかって1年を迎える7日、再び上京して政府に改めて原因究明などを要請する。8日には東京都内で街頭に立って訴える。「正直言って、どう思われるのか怖い。でも、東京の人たちに『もしあなたのお子さんがこんな状況ならどう思いますか』と問いかけたい」【遠藤孝康】

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