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でたらめの「記事」
「またか」
今年7月、東京都内に法律事務所を構える田中一哉弁護士(49)は、パソコンの画面に映し出された掲示板の投稿にうんざりした。
「遅刻した部下に熱湯 暴行…弁護士 田中一哉 逮捕」
見出しと共に新聞記事のように書かれた投稿が続く。田中弁護士が熱湯を部下の男性にかけ、全治3週間のけがをさせて逮捕された、との内容だった。もちろん、全てでたらめだ。
この時点で投稿した人物は誰か分からないが、ネットに接続されたパソコンなどの端末には個別の識別番号(IPアドレス)が割り振られている。田中弁護士は、すぐに投稿者の特定に向けて動いた。掲示板の管理者にメールで連絡し、投稿に使われたIPアドレスを入手。すると、書き込みは都内の私立大のネットワークを経由していたことが分かった。大学は投稿した人物の情報を持っている可能性がある。次は裁判だ。大学側に投稿のI…
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