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記者の目

北方領土問題と平和条約交渉 国益に反すれば引き返せ=大前仁(モスクワ支局)

 日露両国はアルゼンチンでの1日の首脳会談で、今後の北方領土問題と平和条約締結交渉に、両国の外相と外務次官級が参加する「新たな枠組み」に合意した。安倍晋三首相は「自分とプーチン大統領の任期中に平和条約を締結する」と述べてきたが、現実味が薄かったシナリオが、否定できなくなってきた。日本は日ソ共同宣言(1956年)に明記された歯舞群島と色丹島の「2島返還」を軸に交渉に臨む。だが、両島返還は確実視できない。「適切な結果」が得られないなら、引き返す勇気も必要だと思う。

 日本が第二次大戦に敗れてから73年、日本と当時のソ連が領土問題の解決に乗り出してから60年余が過ぎた。89年に東西冷戦が終わり、91年にはソ連が崩壊するという機会がありながらも、日本は領土問題を進展させられなかった。ソ連崩壊から四半世紀以上を経たロシアは、大国に返り咲いた。他方、日本は経済力を落とし、安全保障環境も著しく悪化している。

 このような状況を考慮すれば、いつまでも領土問題を最優先課題にはできなくなっている。日本が掲げる「北方四島の返還(もしくは帰属の確認)を粘り強く訴えていく」という姿勢は、原則として異論の余地がなかった。しかし、原則を唱え、貫くだけでは領土返還の道筋をつけられず、平和条約締結もままならないのが現状なのだ。

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