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社説

辺野古に土砂投入へ 民意排除の露骨な姿勢だ

 米軍普天間飛行場の辺野古移設へ向け、政府は埋め立て工事の土砂投入を14日に始めると発表した。

     政府と沖縄県は11月28日まで、杉田和博官房副長官と謝花喜一郎副知事の間で4回にわたり集中協議を行ったが、平行線で終わっている。

     土砂投入の日程は12月3日、協議の終了を待っていたかのように県側に通知された。協議はむしろ、県の反対を押し切るためのアリバイづくりだったとしか思えない。

     政府は辺野古のある名護市と隣接する本部町の港から埋め立て用の土砂を船で運び出す方針だったが、同町は台風で港が破損したとの理由で使用許可申請を受理していない。

     公共の港湾施設から土砂を搬出できる見通しが立たないため、政府は民間企業の桟橋を利用する奇策に出た。そこまでして、なりふり構わず工事を急ぐのはなぜか。

     辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票が来年2月にあることを意識しているのは間違いなさそうだ。

     県知事選で玉城デニー氏が当選したのに続き、県民投票でも反対が多数を占めることが想定される。来年4月に衆院沖縄3区補選、夏には参院選も控え、「辺野古ノー」の民意が重ねて示される可能性がある。

     それまでに埋め立てを既成事実化したいのだろう。いったん埋め立てた海を復元するのは難しい。後戻りできない状況をつくり、選挙で辺野古移設の是非を問う意味を薄れさせるのが政府の狙いではないか。

     民意をはねつけ、露骨に国家権力の都合をゴリ押しする姿勢は「沖縄に寄り添う」と繰り返してきた安倍晋三首相の言葉と相反する。

     埋め立て予定海域で軟弱地盤が見つかったことも政府の焦りを誘っているようだ。県側は工事完了まで13年かかると独自に試算する。そうだとすれば「一日も早く普天間返還を実現するため」という政府の大義名分が説得力を失いかねない。

     首相は玉城知事と会談した際、「米側との計画通り移設作業を進めていきたい」と述べた。

     日米政府間の合意は重いが、だからといって、地元の民意を無視してよいということにはならない。

     移設実現の見通しが立たないまま、工事を進めることが自己目的化しては意味がない。

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