メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

教員の働き方見直し案 実現するには課題が多い

 長時間労働が問題になっている教員について、働き方の見直しを議論してきた中央教育審議会が答申の素案をまとめた。

     教員の時間外労働の上限を原則、民間と同様に「月45時間」とするよう、数値目標を定めた。さらに、夏休みなどに長期休暇を取ることで労働時間を年単位で調整する「変形労働時間制」の導入を盛り込んだ。

     教員の残業時間には基準がなかっただけに、政府が教員に働き方改革の網をかぶせたことは評価できる。

     文部科学省の調査では、小学教員の3割、中学教員の6割が過労死ラインとされる月平均80時間以上の時間外労働をしている。

     これまで「自発的行為」としていた部活動指導や、授業準備についても素案は勤務時間と認定した。これも実態に即した判断だ。

     ただし、この見直しを教育現場が実現できるかについては、少なからぬ疑問がある。

     時間外労働の上限「45時間」は現実的な目標だろうか。この基準をあてはめると、現在の教員の大半が超過するとみられる。早朝、放課後に部活の指導をすれば、軽く制限枠を超えてしまうだろう。

     このため、素案は部活指導については教員以外の外部人材の活用などを勧めている。だが、地域によって人材探しは容易であるまい。相当の環境整備が必要になる。

     長時間労働を是正するため、教員が担う仕事を明確にしようとする方向は理解できる。だが、部活などが教員の守備範囲なのかをもっとはっきりさせないと、結局掛け声倒れに終わりはしないか。

     「変形労働時間制」の効果にも疑問がある。教員が夏休みなどにまとまった休みを取ることで、学期中の平日に所定の勤務時間を超えることを許容する狙いがある。

     年単位の労働時間調整には有効かもしれないが、学期中の過重労働の解決にはつながらない。夏休みは教員研修などに重なる時期でもある。

     教員の長時間労働に本当に向き合うのであれば定数、教員の支援態勢なども幅広く見直す必要がある。

     教員の残業代を認めず、基本給の4%を一律上乗せしている現行の給与制度が妥当かも再点検すべきではないか。さらなる議論を求めたい。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 仕事の現場 声優 野沢雅子さん 業界の先駆者 地位改善運動も
    2. 防府読売マラソン 川内が2年連続4度目の優勝
    3. 許さない 性暴力の現場で/4 兄からの虐待 逃げ得…納得できない /群馬
    4. ORICON NEWS misonoの夫・Nosukeが闘病公表「精巣がんによる胚細胞腫瘍」
    5. キャバクラ暴行死 未婚10代母、遠い自立 娘残し無念

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです