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「一時休戦」米中貿易戦争さらに激化も ファーウェイCFO拘束

ボルトン米大統領補佐官=AP

 【ワシントン高本耕太】トランプ米政権は、中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)に対する捜査により、通信機器から安全保障分野に広がる米中対立の核心に切り込んだ。中国の覇権拡大を警戒するトランプ政権内強硬派の意向が反映された形で、今月1日の米中首脳会談で設置が合意された通商協議の難航は必至。一時休戦で折り合った米中貿易戦争がさらに激化する可能性もある。

 「(孟氏拘束の計画は)事前に司法省から聞かされていた」。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は6日、米公共ラジオNPRのインタビューにそう語り、1日の首脳会談前にホワイトハウスが捜査着手を把握していたことを明らかにした。

 米国がカナダ当局に孟氏の身柄拘束を要請した直接の容疑は、英金融大手HSBCの通報により発覚した、米国の対イラン経済制裁を回避する違法な金融取引とされる。だが、ボルトン氏は「中国企業による米国の知的財産盗用は長年、安全保障上の懸念だった」と指摘。「ファーウェイはその代表例」と述べ、安全保障上の脅威と認識していることを隠さなかった。

 強硬な手段の背景には、スマートフォン市場で世界2位、通信基地局では1位のシェアを誇るファーウェイなど中国勢が、高速・大容量の新たな無線通信網「5G(次世代移動通信システム)」の国際標準規格争いで、主導権を握りつつあるとの危機感がある。ファーウェイは民営であるものの、中国政府のハイテク産業育成政策の中核に据えられた企業。米政府は中国政府が同社の通信機器を利用してスパイ活動を実施し、軍事情報などを入手しているとみている。通信技術における中国勢の覇権拡大は安全保障上のリスクに直結するとの認識だ。

 米議会は8月、米政府機関や米軍などに対し、ファーウェイを含む中国ハイテク企業の製品の使用を制限する法案を可決。日本など同盟国にも同様の対応を求めている。ボルトン氏は「この問題は今後の両国間の交渉でも重大な議題となる」と述べ、今後の通商協議を通じ、貿易不均衡是正とともに知財盗用・技術移転強要の防止などの「構造改革」を中国側に強く迫る構えを示した。

 だが、追加関税発動の一時棚上げなど協調ムードを演出した首脳会談の裏で進んでいた拘束劇に、中国の習近平指導部が態度を硬化させるのは必至で、市場には協議の行方を不安視する声が広がる。米CNNの解説者は「両国の貿易関係を考えれば、見事なまでに最悪なタイミングでの捜査だ」と指摘した。

 一方、ボルトン氏はインタビューで「大統領にすべてのことを報告するわけではない」と述べ、トランプ大統領が習氏との会談前に事件の概要を知らされていなかったことを示唆した。会談直後は米中の貿易関係改善に自信を見せたトランプ氏だが、その後は「ディール(取引)不成立の場合は大規模な関税をかける」とツイートするなど異なるメッセージを発信。中国への揺さぶりとの見方がある一方、トランプ氏が合意への意欲を失いつつあるとの指摘も出ている。

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